食料品の消費税が1%に|2027年4月からの2年間、家計はいくら安くなる?

食料品の消費税が1%に|2027年4月からの2年間、家計はいくら安くなる? お金の基礎
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※本記事は2026年10月時点の情報です。食料品の消費税率引き下げは、9月15日に制度の大綱、10月9日に法案が閣議決定され、臨時国会に提出されました。法律はまだ成立していません(会期末の12月12日までの成立を目指すとされています)。最終的な内容は国会審議で変わる可能性があります。

まず結論:3行でわかる要点

  • 食料品の消費税が8%→1%に。2027年4月から2年間の期間限定
  • 安くなるのは税込価格の約6.5%。月5万円の食費なら年約3.9万円
  • 外食と酒類は対象外(10%のまま)。まだ法律は成立していない
  • 1%への引下げは単独の減税ではない。給付と組み合わせて「実質ゼロ化」を狙う設計

2026年7月30日、高市首相が食料品の消費税を1%に引き下げる方針を表明しました。もともとの公約は「2年間0%」でしたが、政府の方針として決まったのは「1%」です。

2026年8月5日には、この方針が閣議決定されました。食料品の1%は、所得に応じて給付する新しい制度が始まるまでの2年間の措置です。くわしい関係は、後の「実質ゼロ」の章で整理します。

いつから始まるのか、何が対象なのか、そして自分の家計はいくら安くなるのか。ニュースだけでは分かりにくい部分を、順番に整理します。

何が決まったのか(7月30日に表明、8月5日に閣議決定)

ユキ

食料品の消費税が下がるって聞いたけど、0%じゃなかったの?いつから安くなるのかもよく分からなくて…
モリガマ

公約は0%だったけど、方針として決まったのは1%なんだ。始まるのは2027年4月から。まずは決まった中身を表で押さえよう。
項目 内容
税率 飲食料品の消費税を 8% → 1% に引き下げ
開始時期 2027年(令和9年)4月から
期間 2年間の期間限定。終了後は8%に戻る想定
対象 現在の軽減税率8%が適用されている飲食料品(外食・酒類は除く)
現在の状況 9月15日に大綱、10月9日に法案を閣議決定し、臨時国会に提出。法律はまだ成立していない(会期末は12月12日)

「決定」といっても、まだ法律ではない

税率を変えるには法律が必要で、その法律はまだ成立していません。ここまでの流れは次のとおりです。

  • 7月30日:首相が、食料品の消費税を1%に下げる方針を表明
  • 8月5日:政府の方針として閣議決定(閣議決定は「政府としてこう決めた」という段階)
  • 9月15日:制度の大綱を閣議決定
  • 10月9日:法案を閣議決定し、臨時国会に提出

9月15日には、税率の特例や事業者向けの措置、給付の仕組みをまとめた大綱も閣議決定されました。期間は2027年4月1日から2029年3月31日までで、対象は今の軽減税率と同じ範囲の飲食料品です。

開始を2027年4月まで待つのは、レジや会計システムの改修に時間がかかるためです。

食料品の消費税1%と支援金のスケジュール。2026年9月15日に大綱を閣議決定、10月5日からの臨時国会で審議、2027年4月1日から2029年3月31日まで食料品は1%、その後8%に戻り、就業者負担軽減支援金が本格実施
モリガマ

「もう安くなる」と思ってしまいがちだけど、始まるのは2027年4月。今すぐ食費が下がるわけじゃない点は押さえておこう。

何が安くなって、何が変わらないのか

対象になるのは、いま軽減税率8%が適用されている飲食料品です。つまりスーパーやコンビニで買う食料品・飲料が中心で、外食と酒類は対象外です。

買うもの 今 2027年4月から
スーパー・コンビニの食料品 8% 1%
飲料(お茶・ジュースなど) 8% 1%
テイクアウト・宅配 8% 1%
外食(レストラン・居酒屋) 10% 10%のまま
酒類(ビール・ワインなど) 10% 10%のまま
日用品・洗剤・ティッシュ 10% 10%のまま
スーパーのレシートは「全部が対象」ではない。同じ買い物でも、お酒や洗剤・日用品は10%のまま変わりません。「食費」と思っている金額のうち、実際に安くなるのは軽減税率8%の商品だけ、という点に注意しましょう。
ユキ

なるほど、レシートの中でも安くなる商品とならない商品が混ざるんだ。ビールは対象外か…

家計はいくら安くなる?世帯別に試算

「7%安くなる」は少し違う

8%から1%へ、差は7%。そのため「7%安くなる」と説明されることがありますが、これは少し不正確です。

消費税は「税抜価格」にかかるため、いま払っている税込価格を基準にすると、値下がり幅は約6.48%になります。

計算の考え方
税込10,800円の食料品(税抜10,000円+消費税8%)→ 税率1%なら税込10,100円
安くなる額 = 10,800円 − 10,100円 = 700円(税込価格の約6.48%)
いま税込1万円分買っている場合は、約648円安くなる計算です

この6.48%を使って、月の食費別に試算すると次のようになります。食費のすべてが軽減税率8%の対象商品だった場合の上限値です。実際にはお酒・外食・日用品が含まれる分、軽減額はこれより小さくなります。

世帯の目安 月の食費
(税込)
月あたり 年間 2年間の合計
単身 30,000円 約1,944円 約23,300円 約46,700円
2人世帯 50,000円 約3,241円 約38,900円 約77,800円
3人世帯 60,000円 約3,889円 約46,700円 約93,300円
4人世帯 76,000円 約4,926円 約59,100円 約118,200円
食費が多い世帯 100,000円 約6,481円 約77,800円 約155,600円

※店側が本体価格を上げた場合は、これより小さくなります(後の「注意点2」)。

ユキ

うちは月6万円くらいだから、年間4万円台か。思ったより大きいけど、お酒や外食を除くともう少し減るってことだね。

モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

モリガマのがま口がパカッと開いてツールが出てくる

世帯人数と月の食費を入れるだけで、あなたの家計でいくら軽くなるかを試算できます。

なぜ公約の0%ではなく1%になったのか

もともとの公約は「食料品の消費税を2年間0%」でした。それが1%になった最大の理由は、レジシステムの改修に時間がかかることです。

1989年の消費税導入以来、国内のレジのほとんどは「消費税がかかる」前提で設計されています。税率をゼロに設定する機能に対応していない機種が多く、0%にするには大規模な改修が必要で、1年以上かかると見込まれていました。

一方、1%であれば既存の「税率を変更する」仕組みで対応できます。結果として、0%より早く実施できる1%が選ばれたという経緯です。

モリガマ

「0%のほうが得なのに」と思うかもしれないけど、0%だと開始そのものが遅れてしまう。早く始めることを優先した結果なんだ。

1%なのに「実質ゼロ」と言われるのはなぜ?

ニュースで「実質ゼロ」という言葉を見た人もいるはずです。答えを先に言うと、税率を1%に下げ、残り1%相当分を給付(国からお金を受け取ること)で返すという組み立てだからです。根拠になる閣議決定の文書には、こう書かれています。

足下の物価高に鑑み、できる限り早期に対応を講ずる観点から、令和9年4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする。

あわせて、(中略)飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用した「所得に連動したきめ細かな給付」を令和9年度に導入する。

これらの取組により、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する。
「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針(令和8年8月5日 閣議決定)より

つまり「税率を1%に下げる」+「残り1%相当分を給付で返す」=実質ゼロ、という組み立てです。全員の値札が0%になるわけではありません。

そして給付のほうには対象があります。閣議決定では「中低所得の現役勤労者」に手厚く対応する、とされています。所得に応じた給付なので、給付の対象から外れる場合、家計への影響は税率が1%に下がる分だけと考えるのが自然です。「実質ゼロ」という言葉だけを見て、全世帯が0%になると受け取らないほうがいいところです。

つなぎの給付は「15歳以下の子」で加算される

この2年間の給付と、その後に本格導入する給付制度では、扱いが違う点が文書に明記されています。

  • 配偶者の所得を勘案する例外措置は設けない
  • こどもの加算は、本格導入時の18歳以下ではなく15歳以下の人数に応じて行う

9月15日の大綱で、この給付は「就業者負担軽減支援金」という名前で2027年4月から始めることになりました。2年間の支援金の総額は、飲食料品の消費税1%分の範囲とされています。金額や対象になる所得の範囲は、まだ決まっていません。

本体の「所得に連動したきめ細かな給付」は令和11年度(2029年度)に本格導入とされています。制度の全体像は給付付き税額控除とは?いつから・誰がいくらで整理しています。

知っておきたい3つの注意点

1. 2年後に税率は8%へ戻る

これは2年間の期間限定です。2029年春に8%へ戻ると、食料品の価格は税率だけを見れば約7%上がることになります。

ただし「減税が終わって終わり」という設計ではありません。閣議決定には「消費税減税の終了時に『所得に応じたきめ細かな給付』に円滑に接続するために必要な措置を講ずる」と書かれています。税率が戻るのと入れ替わりに、本体の給付制度が令和11年度から始まる想定です。

とはいえ、給付の対象になるかどうかは所得によります。給付の対象から外れる世帯にとっては、2年後は単純な値上げとして効いてきます。2年後に戻ることも含めて、浮いた分の使い道を考えておくと、反動を受け止めやすくなります。

2. 値札がそのまま下がるとは限らない

税率が下がっても、店側が本体価格を上げれば、店頭の値段は思ったほど下がらないこともあります。物価上昇が続いている局面では、減税分が値上げで相殺される可能性がある点は頭に入れておきましょう。

3. 財源はまだ決まっていない

食料品の税率引き下げは、年4兆円規模の税収減になるとの試算があります(NRI 木内登英氏の試算)。この穴をどう埋めるかは決まっておらず、将来ほかの税や社会保険料という形で家計に戻ってくる可能性も否定はできません。

閣議決定でも、本体の給付制度について「一時財源ではなく恒久財源を確保する必要がある」とされ、具体策は今後の検討に委ねられています。恒久財源は、毎年続けて確保できるお金の出どころのことです。給付の金額や対象になる所得の水準も、この財源の議論と併せて決めるとされているため、現時点で「自分がいくらもらえるか」は決まっていません。

ユキ

「安くなる」だけじゃなくて、2年後に戻ることまで考えておくのが大事なんだね。浮いた分は貯めておこうかな。
モリガマ

2年後に税率が戻ることも含めて、浮いた分の使い道を考えたいね。

まとめ

  • 食料品の消費税は2027年4月から2年間、8%→1%になる方針(法律は未成立)
  • 安くなるのは税込価格の約6.48%。月5万円の食費で年約3.9万円
  • 外食・酒類・日用品は対象外。レシートの一部だけが安くなる
  • 2年後に8%へ戻る。浮いた分の使い道は戻ったあとのことも含めて考える

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よくある質問(FAQ)

Q. 食料品の消費税1%はいつから始まりますか?

A. 2027年(令和9年)4月からの予定で、期間は2年間の時限措置です。2026年7月30日に高市首相が方針を表明し、9月15日に大綱、10月9日に法案が閣議決定されて臨時国会に提出されました。法律はまだ成立していません。開始を2027年4月まで待つのは、レジや会計システムの改修に時間がかかるためです。

Q. 食料品の消費税1%で、家計はいくら安くなりますか?

A. 安くなるのは税込価格の約6.48%です。月の食費が3万円なら年約23,300円、5万円なら年約38,900円、7.6万円(4人世帯の目安)なら年約59,100円の軽減になります。ただし食費のうちお酒や日用品は対象外のため、実際の軽減額はこれより小さくなります。

Q. 外食や酒類も1%になりますか?

A. いいえ、外食と酒類は対象外で10%のまま変わりません。対象になるのは現在の軽減税率8%が適用されている飲食料品で、スーパーやコンビニで買う食料品・飲料が中心です。テイクアウトや宅配も、今の軽減税率と同じく対象です(9月15日の大綱で、対象は今の軽減税率と同じ範囲と決まりました)。洗剤やティッシュなどの日用品も10%のままです。

Q. 「8%から1%だから7%安くなる」ではないのですか?

A. はい、正確には約6.48%です。消費税は税抜価格にかかるため、いま支払っている税込価格を基準にすると値下がり幅は7%より小さくなります。たとえば税込10,800円(税抜10,000円)の食料品は、税率1%なら税込10,100円となり、安くなるのは700円=税込価格の約6.48%です。

Q. 2年後に税率が戻ると、どうなりますか?

A. 2029年春に8%へ戻ると、食料品の価格は税率だけを見れば約7%上がることになります。減税期間中に生活水準を上げてしまうと、戻ったときの負担感が大きくなります。浮いたお金は生活費に組み込まず、貯蓄や将来の備えに回しておくと、税率が戻ったときの影響を受け止めやすくなります。

参考・出典

本記事は情報提供を目的とした一般的な解説です。制度は国会審議により内容・時期が変わる可能性があります。最新情報は財務省・国税庁の公式発表をご確認ください。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
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免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項・編集方針をご覧ください。
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