「食料品の消費税が0%になる」という話は聞いたことがあっても、最近「1%案」という別の案が出てきたというニュースを見た人も多いのではないでしょうか。
0%と1%、たった1%の違いに見えるけれど、家計への影響はどれくらい変わるのか。そもそもなぜ1%案が出てきたのか。今回はそこを整理してみます。
「1%案って何?」ユキの疑問
2026年4月時点で、政府内から「食料品の消費税を0%ではなく1%に引き下げる案」が浮上しています。これは高市首相の公約(食料品消費税2年間0%)に対して、実施時期を前倒しするための代替案として検討されているものです。
1%案が出てきた理由:レジシステム問題
食料品の消費税を0%にするには、スーパーやコンビニのレジシステムを大規模に改修する必要があります。
1989年の消費税導入以来、国内のほぼすべてのレジは「消費税がかかる」ことを前提に設計されています。税率をゼロに設定する機能に対応していないシステムが多いため、改修に1〜1.5年かかるという試算があります。
一方、1%への引き下げなら既存の税率変更の仕組みで対応できるため、約0.5〜1年で実施できるとされています(共同通信、2026年4月14日報道)。
0%案と1%案、何が違うのか整理しよう
2つの案の比較
| 項目 | 0%案(当初公約) | 1%案(浮上中) |
|---|---|---|
| 税率の変化 | 8% → 0% | 8% → 1% |
| 実施までの期間 | 法制化から1〜1.5年 | 法制化から0.5〜1年 |
| 年間節約額(4人家族) | 約67,272円 | 約58,863円 |
| 年間税収への影響 | 約▲5兆円 | 約▲4.4兆円 |
| GDP押し上げ効果(1年) | +0.22% | +0.19% |
| レジ改修の負担 | 大きい(0%対応が困難) | 比較的小さい |
※節約額・GDP効果はNRI木内登英氏コラム(2026年4月27日)、税収影響は同1月19日コラムより。4人家族の月間食費約76,000円(税込)を基準とした試算値。
0%案のメリット・デメリット
メリット
- 家計の節約効果が最大(4人家族で年間約67,000円)
- 値札の計算がシンプル(税込=税抜)
- 低所得世帯ほど食費の割合が高いため、相対的な恩恵が大きい
デメリット
- レジシステム改修に時間・コストがかかる(中小事業者の負担増)
- 実施まで1〜1.5年かかる可能性
- 年間約5兆円の税収減で財政悪化のリスク
- 2年間の時限措置のため、終了後に「元の値段に戻る」ショックが生じる可能性
1%案のメリット・デメリット
メリット
- 早ければ数ヶ月早く家計に効果が届く
- レジ改修の負担が軽減される
- 税収減が0%案より約6,000億円小さい
デメリット
- 0%案より年間約8,400円(4人家族)節約効果が少ない
- 「公約の0%」ではないため、不満の声が出る可能性
- 「事実上の公約後退」と批判されるリスク
あなたの家計では、実際いくら変わる?
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。
世帯人数と月間の食費を入力するだけで、0%案・1%案それぞれの節約額を試算できます。
家計以外にも知っておきたいこと
対象になるものとならないもの
現行の軽減税率(8%)と同様に、新しい税率の対象となるのは「飲食料品」のうち、外食と酒類を除いたものになる見通しです。スーパーやコンビニで買う食料品・飲料が主な対象です。
| 品目 | 対象(見通し) |
|---|---|
| スーパー・コンビニの食料品 | 対象 |
| テイクアウト(持ち帰り) | 対象(見通し) |
| 外食(レストラン・居酒屋など) | 対象外(見通し) |
| 酒類 | 対象外(見通し) |
「2年間の時限措置」という点
高市首相の公約では「2年間」の期間限定とされています。2年後に元の8%に戻った場合、実質的に食品価格が「上がった」と感じる可能性があります。この点も含めて、家計への影響を長い目で考えておくことが大切です。
財政への影響
年間約5兆円(0%案)または約4.4兆円(1%案)の税収が減ります。この財源をどう補うかは2026年4月時点で明確になっていません。将来的に別の形で家計に影響が出る可能性もゼロではないため、政府の議論の動向を見ておくことも一つの視点です。
情報が揃った。あとはあなたが判断する
今回の内容を整理すると、こうなります。
- 食料品の消費税について、0%案(公約)と1%案(代替案)が議論されている
- 1%案のほうが早く実施できる可能性があるが、節約効果は0%案より年約8,400円(4人家族)少ない
- どちらも2年間の時限措置であり、対象は外食・酒類を除いた食料品の見通し
- 2026年4月時点では、具体的な実施時期・内容はまだ確定していない
「どちらの案がいいか」は、実施時期を重視するか節約額を重視するかによって見方が分かれます。どちらが正解ということはなく、政府の議論の動向を見ながら自分の家計計画に組み込んでいくのが現実的な対応といえます。
あわせて使ってみたいツール
- 家計全体のバランスを確認したい人は → 家計バランス診断
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
【参考情報】
・NRI 木内登英「浮上する食料品の消費税率1%案」(2026年4月27日)
・共同通信「政府内で消費減税『1%案』浮上」(2026年4月14日)
・NRI 木内登英「高市政権が食料品の消費税率ゼロを選挙公約に掲げる方針」(2026年1月19日)

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