「子どもが生まれたら保険を見直した方がいい」——よく耳にする言葉ですが、具体的に何をどう変えればいいかわからない方が多いのではないでしょうか。この記事では、子育て世帯に必要な保障の考え方を中立的に整理して、最後に自分に必要な保障額を診断できるツールを紹介します。
子どもができると「リスクの形」が変わる
具体的には、次の3つのリスクを意識しておくといいでしょう。
| リスクの種類 | 内容 | 子どもができた後の影響 |
|---|---|---|
| 死亡リスク | 本人が亡くなる | 子どもが独立するまでの生活費・教育費が不足するリスクが高まる |
| 就業不能リスク | 病気やケガで長期間働けなくなる | 収入が途絶えても家族の生活費がかかり続ける |
| 医療リスク | 入院・手術が必要になる | 治療費の自己負担に加え、働けない期間の家計へのダメージが大きくなる |
まず知っておきたい「公的保障」の存在
会社員(厚生年金加入者)の場合、万が一亡くなったときには国から次のような年金が支給されます(令和8年4月時点)。
・遺族基礎年金:年約133万円(月約11万円)
基本額847,300円+子の加算243,800円×2人分
・遺族厚生年金:勤続年数・給与に応じて別途上乗せ
(目安:月3〜6万円 ※加入記録によって異なります)
出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」2026年4月25日取得
また、病気やケガで働けなくなった場合は傷病手当金(健康保険加入者対象)が最長1年6ヶ月、標準報酬日額の約2/3が支給されます。医療費が高額になった場合も高額療養費制度により、年収約370〜770万円の方(区分「ウ」)の自己負担上限はひと月あたりおよそ8〜9万円です(協会けんぽ、2026年4月時点)。
こうした公的保障の「上にどれだけ積み増しが必要か」——それが民間保険を考えるスタート地点です。
生命保険・医療保険・就業不能保険、それぞれの役割
① 生命保険(死亡保障)——残された家族のための保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 本人が亡くなった後、残された家族の生活費・教育費を補う |
| 主な種類 | 定期保険(期間限定・掛け捨て)、終身保険(一生涯保障)、収入保障保険(毎月一定額を受け取る) |
| メリット | 子どもが独立するまでの期間、大きな保障を低コストで準備できる(定期・収入保障型) |
| デメリット・注意点 | 掛け捨て型は貯蓄性がない。終身型は保険料が高め。必要以上の保障額は家計の負担になることも |
生命保険文化センターの2024年度調査によると、2人以上世帯の平均死亡保険金額は1,936万円、年間払込保険料の平均は35.3万円(月約2.9万円)です。ただし「平均」はあくまで参考値で、収入・家族構成・貯蓄額によって必要な額は大きく異なります。
② 医療保険——入院・手術時の家計ダメージを抑える保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 入院・手術時の医療費自己負担分や、働けない期間の収入減を補う |
| メリット | 差額ベッド代・先進医療費用など、高額療養費の対象外になる出費に備えられる |
| デメリット・注意点 | 高額療養費制度で医療費の自己負担は一定額に抑えられる。貯蓄が十分あれば不要な場合もある |
③ 就業不能保険——長期で働けなくなったときの収入を守る保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 病気やケガで長期間働けなくなった場合に毎月一定額を受け取り、生活費を補う |
| メリット | 傷病手当金(最長1年6ヶ月)が切れた後の収入不足に備えられる。子育て中は特に家計への影響が大きいため有効 |
| デメリット・注意点 | 認知度が低く保険料がやや高め。配偶者が働いている場合は必要度が下がる場合もある |
自分に必要な保障額を、ツールで確かめてみよう
年収:400万円 / 妻の年収:400万円
月の生活費:25万円 / 貯蓄:100万円 / 住宅ローン:0円
現在の死亡保障:なし / 医療保険:未加入
→ こんな感じで入れてみたら、必要額の目安と優先順位が出てきたよ!
保険を見直すときの3つの視点
視点① 公的保障を先に確認してから上乗せを考える
遺族年金・傷病手当金・高額療養費など、すでに国が準備している保障は意外と手厚い部分があります。まずこれらを把握した上で、「それでも足りない部分」を民間保険で補うという順番が、保険料を必要以上に払わないためのポイントです。
視点② 必要最小限の保障から始める
子育て中は教育費・住宅費・生活費など支出が多く、家計に余裕がない時期でもあります。保険料が家計を圧迫すると、逆に貯蓄や投資への資金が減るというデメリットもあります。「保険料を払いすぎて老後資金が準備できなかった」という声は珍しくありません。必要な保障を必要な期間だけ、できるだけ低コストで準備することも一つの考え方です。
視点③ ライフステージに応じて定期的に見直す
子どもが生まれたときが最も保障ニーズが高い時期のひとつですが、子どもが独立すれば死亡保障の必要額は大きく減ります。また、貯蓄が増えれば医療保険の必要度も変わります。「一度入ったらそのまま」ではなく、5〜10年に一度は現在の保障が家計の実態に合っているか確認することが大切です。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
参照:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(2026年4月25日取得)/全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額な医療費を支払ったとき」「傷病手当金」(2026年4月25日取得)/公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」(2026年4月25日取得)
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参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。
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厚生労働省「年金・日本年金機構」
— 国民年金・厚生年金の制度と給付額 -
厚生労働省「医療保険」
— 健康保険・高額療養費・後期高齢者医療など -
全国健康保険協会(協会けんぽ)
— 健康保険料率・任意継続・給付など -
厚生労働省「育児・介護休業」
— 育児休業給付金・産休・育休の制度 -
文部科学省「子どもの学習費調査」
— 幼稚園〜高校までの教育費統計
よくある質問
Q. 子どもが生まれたら保険はどう見直す?
万一のときに必要な保障額が増えるため、主に世帯主の死亡保障(遺族の生活費・教育費)を見直します。公的保障(遺族年金)を差し引いた不足分を備えます。
Q. 子どものために保険は必要?
子ども本人の医療保険などの必要性は低めです。優先すべきは、稼ぎ手に万一があったときの家族の生活を守る保障です。
Q. 必要な保障額はどう決める?
将来必要なお金(生活費・教育費)から、遺族年金などの公的保障と貯蓄を差し引いた残りが必要保障額です。過不足なく備えることが大切です。



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