遺族年金はいくら?妻と子どもが受け取れる金額と条件
一家の大黒柱に万が一のことがあったとき、残された家族の生活を支える公的制度が遺族年金です。この記事では、遺族年金の種類・受給条件・金額の目安をわかりやすく整理します。
遺族年金は2種類ある
| 項目 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
|---|---|---|
| 対象制度 | 国民年金(全国民共通) | 厚生年金(会社員・公務員) |
| 受給者 | 子のある配偶者、または子 | 配偶者・子・父母・孫・祖父母 |
| 金額 | 定額(基本額+子の加算) | 報酬比例部分の3/4 |
| 自営業者 | 対象になる | 対象外 |
| 支給終了 | 末子が18歳年度末に達したとき | 再婚などの失権事由に該当するまで |
会社員・公務員の家庭では両方を受け取れる可能性があり、自営業の場合は遺族基礎年金のみが対象となります。
遺族基礎年金の受給額と条件
受給できる人
- 亡くなった人に生計を維持されていた子のある配偶者、または子
- 「子」の定義:18歳到達年度の末日まで(障害等級1級・2級の場合は20歳未満)
保険料の納付要件
- 死亡日の前日時点で、保険料納付済期間+免除期間が加入期間の2/3以上
- 特例:死亡日が2026年3月末日までなら、直近1年間に未納がなければOK
受給額(2026年度)
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 基本額 | 816,000円 |
| 子の加算(1人目・2人目) | 各234,800円 |
| 子の加算(3人目以降) | 各78,300円 |
計算例:妻+子ども2人
816,000円 + 234,800円 × 2 = 1,285,600円/年(月額 約107,100円)
遺族厚生年金の受給額と条件
受給できる人(優先順位あり)
- 配偶者・子
- 父母
- 孫
- 祖父母
※夫・父母・祖父母は死亡時に55歳以上であること(支給は60歳から)
金額の考え方
亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の3/4が遺族厚生年金の額になります。
短期要件の特例
厚生年金加入中に亡くなった場合、実際の加入月数が300月(25年)に満たなくても300月とみなして計算されます。若くして亡くなった場合でも一定額が確保される仕組みです。
中高齢寡婦加算
40歳〜65歳の子のない妻(または子が18歳年度末を超えた妻)には、年額612,000円が加算されます。65歳以降は自分の老齢基礎年金に切り替わります。
計算例
条件:平均標準報酬額40万円、厚生年金加入25年(300月)の夫が死亡
報酬比例部分(概算):
400,000円 × 5.481/1000 × 300月 = 約657,720円/年
遺族厚生年金:
657,720円 × 3/4 = 約493,300円/年(月額 約41,100円)
遺族年金だけで足りる?不足額のシミュレーション
モデルケース:夫死亡(会社員・加入25年)、妻35歳、子ども2人(5歳・3歳)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 遺族基礎年金(妻+子2人) | 約107,000円 |
| 遺族厚生年金 | 約41,000円 |
| 遺族年金 合計 | 約148,000円 |
| 母子3人の生活費目安 | 約250,000円 |
| 毎月の不足額 | 約102,000円 |
遺族年金だけで生活費をすべて賄えるケースは少なく、不足分を妻の収入・貯蓄・生命保険で補うことが一般的です。子どもの教育費や住居費を含めると、必要な保障額はさらに大きくなります。
遺族年金の注意点
再婚すると受給権を失う
遺族年金を受給中の配偶者が再婚すると、遺族年金の受給権は失権します。事実婚も含まれるため注意が必要です。
子が18歳年度末を超えると遺族基礎年金は終了
末子が18歳到達年度の末日を過ぎると、遺族基礎年金は支給停止となります。その後は遺族厚生年金のみの受給となり、年金額が大幅に減少します。
自営業は遺族厚生年金がない
自営業・フリーランスの方は厚生年金に加入していないため、受け取れるのは遺族基礎年金のみです。会社員と比べて保障が薄いため、民間の生命保険で不足分を備える必要性が高くなります。
共働きの場合の計算
共働き世帯で妻が厚生年金に加入している場合、65歳以降は自分の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金は差額分のみの支給となります。妻自身の年金額が高い場合、遺族厚生年金が実質ゼロになるケースもあります。
まとめ
- 遺族年金には遺族基礎年金(国民年金)と遺族厚生年金(厚生年金)の2種類がある
- 遺族基礎年金は「子のある配偶者」が対象で、子が18歳年度末まで支給される
- 遺族厚生年金は亡くなった人の報酬比例部分の3/4が支給される
- 会社員の家庭では月15〜19万円程度が目安だが、生活費をすべて賄うのは難しい
- 自営業は遺族基礎年金のみのため、保険での備えがより重要
- 再婚・子の成長などで受給額は変わるため、ライフステージごとの見直しが大切
遺族年金で足りない分をどう備えるかは、家庭ごとの収入や家族構成によって変わります。まずは必要な保障額を把握するところから始めてみましょう。

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※この記事は2026年度の制度・金額をもとに作成しています。制度改正等により金額や条件が変更される場合があります。具体的な受給額については、お近くの年金事務所または「ねんきんダイヤル」にてご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の判断を保証するものではありません。
参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。
- 厚生労働省「年金・日本年金機構」 — 国民年金・厚生年金の制度と給付額
- 文部科学省「子どもの学習費調査」 — 幼稚園〜高校までの教育費統計
よくある質問
Q. 遺族年金はいくらもらえる?
遺族基礎年金は子のある配偶者に年約80万円+子の加算、遺族厚生年金は亡くなった人の厚生年金の約4分の3が目安です。加入状況や家族構成で変わります。
Q. 遺族年金は誰が受け取れる?
遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が対象です。遺族厚生年金は配偶者・子・父母など優先順位の高い遺族が受け取れます。
Q. 遺族年金だけで生活できる?
不足することが多いです。遺族年金に加え、貯蓄や生命保険で不足分を補う必要があります。まず公的保障でいくら受け取れるかを把握することが大切です。


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