※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説です。制度の詳細・対象品目は変わることがあります。最新情報は記事末尾の公的機関リンク・国税庁・厚生労働省でご確認ください。
・確定申告のやり方は申告手続きの全体像
・会社員の節税5選は控除の総まとめ
・本記事は「セルフメディケーション税制」という市販薬の控除1本に絞って、対象・計算・手続きを解説します
病院にはあまり行かないけれど市販薬はよく買う——そんな家庭に効くのがセルフメディケーション税制です。仕組みと使い方を整理します。
制度のきほん:12,000円を超えた分が控除
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | スイッチOTC医薬品など対象の市販薬(かぜ薬・鎮痛剤・花粉症薬・湿布など幅広い) |
| 計算 | 年間購入額(生計を一にする家族の分も合算)− 12,000円 = 控除額(上限88,000円) |
| 条件 | 健康診断・予防接種など「一定の取組」を受けていること(申告する本人) |
| 手続き | 確定申告で適用(年末調整では使えない)。レシート・明細は5年保存 |
例:年間の対象医薬品の購入が4万円なら、40,000 − 12,000 = 28,000円が所得控除。所得税率10%+住民税10%の人なら、約5,600円の税金が安くなる計算です。
対象の薬はレシートで見分けられる
- パッケージの識別マーク:対象商品には「セルフメディケーション税・控除対象」のマークが付いています
- レシートに印がつく:多くのドラッグストアでは、対象商品に「★」などの印と注記が印字されます。このレシート自体が申告の根拠になります
- かぜ薬・解熱鎮痛剤・アレルギー薬・胃腸薬・湿布・水虫薬など、日常的な薬の多くが対象です(ビタミン剤・栄養ドリンクは対象外が多い)
わが家は届く?家族合算のイメージ
年間12,000円は「月1,000円ペース」。1人では届かなくても、生計を一にする家族の分を合算できるため、意外と届きます。
| 4人家族の1年の例 | 年間購入額 |
|---|---|
| 父:花粉症の薬(春の2ヶ月)+頭痛薬 | 約12,000円 |
| 母:肩こりの湿布+かぜ薬 | 約8,000円 |
| 子ども2人:かぜ薬・解熱剤・目薬 | 約10,000円 |
| 世帯合計 | 約30,000円 → 控除18,000円 |
この例では控除18,000円、所得税10%+住民税10%の人なら約3,600円の減税。花粉症やアレルギーの薬を定期的に買う家庭、湿布をよく使う家庭は、ほぼ確実にラインを超えてきます。
「一定の取組」=健康診断などを受けていること
この制度は「自分の健康は自分で管理する人を応援する」趣旨のため、申告する本人がその年に次のいずれかを受けている必要があります。
- 勤務先の定期健康診断(会社員なら通常これでOK)
- 市区町村の健康診査・がん検診
- インフルエンザなどの予防接種
- 人間ドック など
会社員は毎年の健康診断で自動的に条件を満たしていることがほとんど。結果通知書などは保存しておきましょう(提出は不要ですが提示を求められる場合があります)。
医療費控除とどっちを使う?(併用不可)
| セルフメディケーション税制 | 医療費控除 | |
|---|---|---|
| ライン | 対象市販薬 12,000円超 | 医療費全体 10万円超(または所得の5%) |
| 控除の上限 | 88,000円 | 200万円 |
| 向いている人 | 病院は少ないが市販薬をよく買う | 入院・出産・歯科などで医療費が多い年 |
2つは併用できず、どちらか選択です。医療費が多い年は医療費控除、そうでない年はセルフメディケーション税制、と年ごとに有利なほうを選びます。レシートを両方とっておけば、年末にどちらが得か計算して決められます。

医療費が多めの年は、医療費控除でいくら戻るかを上のツールで確認してから、どちらを使うか決めるのがおすすめです。
制度はいつまで?——延長の方向
この制度は2026年12月31日までの期限付きでしたが、令和8年度税制改正で延長される方針が示されており、対象のスイッチOTC医薬品については恒久化の方向と報じられています。「今年で終わりだから急いで買いだめ」のような判断は不要です。最新の適用期限は国税庁の案内で確認してください。
よくある誤解
誤解1:医療費が年10万円ないと何も控除できない
市販薬に限れば、セルフメディケーション税制なら12,000円超から控除できます。ハードルは医療費控除よりずっと低い設定です。
誤解2:どんな市販薬でも対象になる
対象は指定された医薬品(スイッチOTC等)です。パッケージのマークとレシートの印で確認できます。ビタミン剤や栄養ドリンクは対象外のことが多い点に注意。
誤解3:年末調整でできる
この控除は確定申告が必要です。会社員でも、スマホのe-Taxで比較的簡単に申告できます。医療費控除と同様、5年以内なら還付申告も可能です。
誤解4:レシートがなくても大丈夫
購入の証明(レシート・明細)が必須で、5年間の保存義務があります。捨ててしまった分は原則カウントできません。「薬のレシートは捨てない」を今日から習慣に。
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よくある質問(FAQ)
Q. セルフメディケーション税制とはどんな制度ですか?
A. 対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)を年間12,000円を超えて購入した場合、超えた分(上限88,000円)が所得控除になる制度です。生計を一にする家族の購入分も合算できます。適用には健康診断や予防接種など「一定の取組」を受けていることと、確定申告が必要です。
Q. 対象の市販薬はどうやって見分けられますか?
A. 対象商品にはパッケージに「セルフメディケーション税・控除対象」の識別マークが付いており、多くのドラッグストアではレシートにも対象商品に★などの印が印字されます。かぜ薬・解熱鎮痛剤・アレルギー薬・湿布など日常的な薬の多くが対象です。このレシートが申告の根拠になるため、5年間保存しましょう。
Q. 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できますか?
A. 併用はできず、どちらか一方を選択します。入院や出産などで医療費全体が10万円を超える年は医療費控除、病院は少ないが市販薬をよく買う年はセルフメディケーション税制が有利になりやすいです。レシートを両方保存しておき、年末に有利なほうを選びましょう。
Q. セルフメディケーション税制でいくら節税できますか?
A. 例えば対象医薬品を年間4万円購入した場合、40,000円−12,000円=28,000円が所得控除になります。所得税率10%・住民税10%の人なら合計で約5,600円の減税です。控除の上限は88,000円(購入額10万円)です。

