※本記事は2026年9月時点の情報です。令和8年4月からの手当額はこども家庭庁の資料に示された見込額です。実際の認定・支給はお住まいの自治体が行います。
まず結論:3行でわかる要点
- 2026年度(令和8年度)の満額は月48,050円。2人目以降は1人につき11,350円が加わる
- 親1人・子1人なら、年収190万円までは満額、385万円までは一部支給
- 支給は奇数月(1・3・5・7・9・11月)の年6回。毎年8月の現況届を出さないと止まる
ひとり親家庭を支える現金給付が児童扶養手当です。令和7年3月時点で約78万人が受け取っています。
ただ「所得制限が厳しくて、どうせ自分はもらえない」と思い込んで申請していない人が少なくありません。2024年(令和6年)11月に所得限度額が引き上げられ、対象が約44万人分広がっています。以前に窓口で断られた人でも、いまは対象になっている可能性があります。
この記事では、いくらもらえるのか、年収いくらまでが対象なのか、どこでつまずきやすいのかを整理します。
2026年度は月48,050円。去年より1,360円上がった
こども家庭庁が示している令和8年4月からの手当額(見込額)は次のとおりです。物価にあわせて毎年度改定されます。
| 全部支給 | 一部支給 | |
|---|---|---|
| 本体(児童1人目) | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 加算額 (2人目以降1人につき) |
11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
| 参考:令和7年度 | 46,690円 加算11,030円 |
46,680円〜11,010円 加算11,020円〜5,520円 |
子どもが2人いて全部支給なら、48,050円+11,350円=月59,400円。3人なら70,750円です。
「第3子以降は少ない」はもう古い
かつては第2子と第3子以降で加算額が違いました(第2子10,000円/第3子以降6,000円など)。
令和6年11月分の手当から、第3子以降の加算額が第2子と同額に引き上げられ、いまは「2人目以降は1人につき同じ額」になっています。3人以上のきょうだいがいる家庭ほど、以前の情報との差が大きい部分です。
年収いくらまでもらえるか
所得制限は扶養親族等の数で変わります。こども家庭庁が示している限度額は次のとおりです。収入額は給与所得者を例に、所得額へ給与所得控除額等を加えて表示されたものです。
| 扶養親族等の数 | 全部支給 収入/所得 |
一部支給 収入/所得 |
同居の扶養義務者等 収入/所得 |
|---|---|---|---|
| 0人 | 152.0万円/69万円 | 334.3万円/208万円 | 372.5万円/236万円 |
| 1人 (親1人+子1人) |
190.0万円/107万円 | 385.0万円/246万円 | 420.0万円/274万円 |
| 2人 | 244.3万円/145万円 | 432.5万円/284万円 | 467.5万円/312万円 |
| 3人 | 298.6万円/183万円 | 480.0万円/322万円 | 515.0万円/350万円 |
| 4人 | 352.9万円/221万円 | 527.5万円/360万円 | 562.5万円/388万円 |
| 5人 | 401.3万円/259万円 | 575.0万円/398万円 | 610.0万円/426万円 |
いちばん多いのは親1人・子1人の「扶養親族等1人」のケースです。年収190万円までなら満額、385万円までは一部支給ということになります。
同居する親族の所得も見られる
見落としやすいのが右端の列です。実家に戻って親と同居している場合、その親(扶養義務者)の所得も判定に入ります。本人の所得が低くても、同居の親の収入が限度額を超えていれば支給されません。
ここは「実家に戻るか、アパートを借りるか」という生活の選択にそのまま関わってきます。どちらが正しいという話ではありませんが、手当の額を含めて比べておかないと、あとで想定が狂う部分です。
一部支給の額はどう決まるのか
全部支給の限度額を超えると、そこから所得に応じて少しずつ減っていきます。こども家庭庁が示す令和8年度の計算式はこうです。
一部支給額の計算式(令和8年度・本体額)
48,050円 −〔(受給資格者の所得額 − 全部支給の所得制限限度額)× 0.0264029 + 10円〕
※10円未満は四捨五入
資料に載っている例では、親1人・子1人で所得額が122万円(全部支給の限度額は107万円)の場合、月44,080円となっています。
ポイントは「限度額を1円超えたらゼロ」ではないことです。所得が増えるほどなだらかに減る設計で、いちばん下でも11,340円が残ります。働いて収入を増やしたら手当が全部消えた、ということは起きません。
所得の計算に入るもの・引かれるもの
給与収入だけでなく、養育費の8割が所得に加算されます。一方で、社会保険料相当額などは差し引かれます。
算定の対象になる所得の範囲は「地方税法の道府県民税についての非課税所得以外の所得等」とされており、細かい取り扱いは自治体の窓口で確認するのが確実です。
支給は奇数月。年6回に分かれている
支給月は1月・3月・5月・7月・9月・11月で、それぞれ前2か月分がまとめて振り込まれます。2019年(令和元年)11月から、年3回だったものが年6回に変わりました。
月々の生活費として考えると2か月に一度なので、受け取った月に使い切らない配分が要ります。児童手当が偶数月(年6回)なので、両方受けている家庭は毎月どちらかが入る形になります。
つまずきやすい3つのポイント
1. 毎年8月の現況届を出さないと止まる
児童扶養手当は毎年8月に現況届を提出します。ここで前年の所得をもとに手当額が計算し直されます。出し忘れると支給が止まるので、8月に自治体から届く封筒がいちばん重要な郵便物です。
2. 5年たつと半分になる、ただし例外がある
あまり知られていない仕組みです。支給開始月の初日から5年(または支給要件に該当した月の初日から7年)が経過すると、手当額の2分の1が支給停止になります。3歳未満の子を育てている期間は、この5年に含めません。
ただし適用除外の事由が5つ定められていて、どれかに当てはまることを書類で示せば減額されません。
一部支給停止の適用除外になる事由
① 就業している
② 求職活動等、自立を図るための活動をしている
③ 身体上または精神上の障害がある
④ 負傷または疾病等により就業することが困難である
⑤ 監護する児童や親族が障害・負傷・疾病・要介護状態等にあり、介護のために就業することが困難である
手続きは8月の現況届と同時に、該当することを示す書類を自治体へ提出します。実際に一部支給停止になっている人は、全受給者約79万人のうち0.4%(約3千人)にとどまります(令和7年3月末)。
働いていれば①に当てはまります。制度としては「届出を出さなかった人が減額される」形になっているので、8月の書類を出すことがそのまま防止策になります。
3. 年金を受けていても、差額がもらえることがある
かつては公的年金を受けていると児童扶養手当は受けられませんでした。いまは違います。
- 老齢年金・遺族年金・労災年金などを受けている場合 ── 児童扶養手当の額が年金額を上回るなら、その差額が支給されます(平成26年12月〜)
- 障害基礎年金などを受けている場合 ── 児童扶養手当の額が障害基礎年金等の「子の加算部分」を上回るなら、その差額が支給されます(令和3年3月〜)
障害基礎年金を受けているひとり親は、年金額全体と比べられていた時期は手当がまったく出ませんでした。比較の対象が「子の加算部分」だけに変わったことで、受け取れる人が増えています。「年金をもらっているからダメ」と昔言われた人は、もう一度確認する価値があります。
税金の控除とは別の制度
ひとり親を支える仕組みには、お金がもらえるものと税金が安くなるものがあります。まぎらわしいので整理しておきます。
| 児童扶養手当 | ひとり親控除 | |
|---|---|---|
| 中身 | 現金が振り込まれる | 所得税・住民税が安くなる |
| 窓口 | 市区町村(都道府県・市・福祉事務所設置町村) | 勤務先の年末調整、または確定申告 |
| 金額 | 月48,050円(満額・児童1人) | 所得税35万円・住民税30万円の所得控除 |
| 両方使えるか | 別の制度なので、条件を満たせば両方使えます | |
ひとり親控除のほうは自分で申告しないと適用されません。年末調整の書類か確定申告で申告します。詳しくは見落としやすい所得控除15種類で整理しています。
順番としては、こうなる
- 自分の扶養親族等の数を数える(親1人+子1人なら1人)
- 前年の収入を限度額の表と見比べる。385万円(1人の場合)までは対象の可能性がある
- 実家で同居しているなら、同居の親族の所得も確認する
- 年金を受けていても諦めない。差額が出ることがある
- 受給が始まったら、毎年8月の現況届を必ず出す
- あわせてひとり親控除を年末調整か確定申告で申告する
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

手当を受けながら資格を取って収入を上げたい、という相談は多いところです。講座の費用が戻る制度があるので、どれくらい自己負担が減るか先に見ておくと動きやすくなります。
まとめ
- 2026年度(令和8年度)の満額は月48,050円。2人目以降は1人につき11,350円
- 第3子以降の加算額は令和6年11月から第2子と同額になった
- 親1人・子1人なら年収190万円まで満額、385万円まで一部支給
- 2024年11月に限度額が上がった。以前に対象外と言われた人も確認する価値がある
- 同居の親などの所得も判定に入る。実家に戻るかどうかで結果が変わることがある
- 支給は奇数月の年6回。毎年8月の現況届を出さないと止まる
- 5年で半額になる仕組みがあるが、就業していれば適用除外。届出が防止策になる
- 年金を受けていても差額が支給されることがある
- 税金が安くなるひとり親控除は別制度。条件を満たせば両方使える
よくある質問(FAQ)
Q. 児童扶養手当は月いくらもらえますか?
A. こども家庭庁が示す令和8年4月からの見込額は、児童1人目の全部支給が月48,050円、一部支給が48,040円〜11,340円です。2人目以降は1人につき全部支給11,350円、一部支給11,340円〜5,680円が加算されます。子ども2人で全部支給なら月59,400円です。
Q. 年収いくらまでもらえますか?
A. 扶養親族等の数で変わります。親1人・子1人(扶養親族等1人)の場合、収入ベースで年190万円までが全部支給、385万円までが一部支給です。2024年11月に全部支給が160万円から190万円へ、一部支給が365万円から385万円へ引き上げられました。
Q. 児童手当とは違うのですか?
A. 別の制度です。児童手当は子どもがいる家庭に広く支給されるもので、児童扶養手当はひとり親家庭等の生活の安定と自立の促進を目的とするものです。支給月も異なり、児童扶養手当は奇数月(1・3・5・7・9・11月)の年6回、前2か月分がまとめて振り込まれます。条件を満たせば両方受け取れます。
Q. 5年たつと手当が半分になると聞きました。
A. 支給開始から5年(または支給要件に該当した月から7年)を経過すると2分の1が支給停止になる仕組みがあります。ただし就業している、求職活動をしている、障害がある、疾病等で就業が困難、家族の介護で就業が困難のいずれかに当てはまれば適用除外です。8月の現況届と一緒に書類を出せば減額されません。実際に一部支給停止になっているのは全受給者の0.4%です。
Q. 年金をもらっていると受けられませんか?
A. 受けられる場合があります。老齢年金や遺族年金などは、児童扶養手当の額が年金額を上回るときにその差額が支給されます。障害基礎年金等の場合は、手当の額が障害基礎年金等の子の加算部分を上回るときに差額が支給されます。過去に対象外と言われた人も、いまの基準で確認する価値があります。
Q. 実家で親と同居していても受けられますか?
A. 同居する扶養義務者の所得も判定に入ります。扶養親族等1人の場合、扶養義務者等の限度額は収入ベースで420万円です。本人の所得が低くても、同居する親の収入がこれを超えていると支給されません。実家に戻るかどうかを考えるときは、この点も含めて比べておくと想定が狂いにくくなります。
参考・出典
- こども家庭庁「児童扶養手当について」 — 制度の概要と改正のお知らせ
- こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」(PDF) — 令和8年4月からの手当額、所得制限限度額、一部支給額の計算式、5年経過による一部支給停止と適用除外、公的年金等との併給調整
※令和8年度の手当額は資料上の見込額です。認定・支給および所得の算定はお住まいの都道府県・市・福祉事務所設置町村が行います。申請の前に窓口へご確認ください。

