※本記事は2026年9月時点の情報です。制度の適用可否は個別の状況によって異なります。
まず結論:3行でわかる要点
- お金の制度の多くは12月31日で1年が締まる。使わなかった枠は翌年に持ち越せない
- 冬のボーナスは、その締切に間に合う最後のまとまったお金になりやすい
- 逆に住宅ローンの繰上返済だけは、1月に回したほうが有利になる場合がある
冬のボーナスの使い道を考えるとき、金額の配分だけでなく「いつまでに動くか」も効いてきます。お金にまつわる制度の多くは暦年で区切られていて、12月31日を過ぎると、その年の枠は消えるからです。
この記事では、年内に締まるものを整理します。そして最後に、あえて年内にやらないほうがいいものをひとつ挙げます。
12月31日で締まるもの
| 制度 | その年の枠 | 持ち越し |
|---|---|---|
| ふるさと納税 | 年収に応じた上限まで | できない |
| NISAの年間投資枠 | つみたて120万円+成長240万円=360万円 | できない |
| iDeCoの掛金 | その年に払い込んだ額が控除の対象 | できない |
| 暦年贈与の基礎控除 | 受け取る人1人につき年110万円 | できない |
| 医療費控除の対象期間 | 1月1日から12月31日に支払った分 | できない |
どれも「今年の分は今年のうち」です。翌年に回すと、その年の枠を使い切れなかったことになります。
ふるさと納税は、年末に駆け込むと選べない
12月31日までに手続きが完了したものがその年の寄附になりますが、自治体や決済方法によって受付の締切は前倒しになります。加えて、人気の返礼品は年末に品切れが出ます。上限額を先に把握しておいて、余裕のあるうちに寄附先を決めておくほうが、選択肢が残ります。
NISAの360万円は、埋めるための数字ではない
年間投資枠は暦年で区切られ、使わなかった分を翌年に持ち越すことはできません。ただしこれは「埋めないと損」という意味ではありません。生活防衛資金を削ってまで枠を埋めるのは、順番が逆です。余ったお金の置き場として枠が残っているなら、年内に入れる選択肢がある、という程度に考えておくとちょうどよいはずです。
年内にやらないほうがいいもの:住宅ローンの繰上返済
ここだけは逆になることがあります。理由は、住宅ローン控除の計算に使うのが年末時点の残高だからです。
控除額は「年末残高 × 0.7%」で決まります。つまり12月に繰上返済をすると、その年の年末残高が減り、控除額も減ってしまいます。
| 住宅ローンの金利 | 1月に回すと余分に払う利息(1か月分) | 差し引き |
|---|---|---|
| 0.5% | 417円 | 6,583円お得 |
| 1.0% | 833円 | 6,167円お得 |
| 1.5% | 1,250円 | 5,750円お得 |
| 2.0% | 1,667円 | 5,333円お得 |
| 3.0% | 2,500円 | 4,500円お得 |
※100万円を繰上返済する場合。12月に実行すると年末残高が100万円減り、控除額が7,000円(100万円×0.7%)減ります。1月に回せばその年の控除は満額のまま、余分にかかるのは1か月分の利息だけです。
金利が高いほど利息側が効いてきますが、差がなくなるのは金利が8.4%のときです。現実の住宅ローン金利では、まず起きません。
ただし、当てはまらない人もいる
この話が成り立つのは、次の2つを満たしている場合です。
・住宅ローン控除の期間(13年)がまだ残っていること
・控除できる額を、所得税と住民税から実際に引ききれていること
控除期間が終わっていれば、年末残高は関係ありません。また、年末残高が借入限度額を上回っている人や、納める税金より控除額のほうが大きい人は、残高が100万円減っても実際の還付額は変わらないことがあります。自分がどちらかは、源泉徴収票や年末調整の書類で確認できます。
ボーナスが出る前に決めておくこと
年末に慌てないために、先に決めておけるものがあります。
- ふるさと納税の上限額を把握する。決めるのに時間がかかるのはここ
- 医療費のレシートを集めておく。1年分あとから探すのは大変です
- NISAの今年の使用額を確認する。埋めるかどうかは、生活防衛資金を確保してから
- 繰上返済を考えているなら、実行を1月に予約できるか確認する
どれも、ボーナスが振り込まれてから考え始めると間に合わないことがあります。
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

そもそも冬のボーナスがいくら手元に残るのか。引かれるものを先に見ておくと、配分の計算が現実的になります。
まとめ
- ふるさと納税・NISAの年間投資枠・iDeCoの掛金・暦年贈与・医療費控除は、12月31日で締まる
- いずれも使わなかった分を翌年に持ち越せない
- ふるさと納税は年末に品切れが出る。上限額の把握を先に
- NISAの360万円は埋めるための数字ではない。生活防衛資金が先
- 住宅ローンの繰上返済は1月に回すほうが有利になることがある
- 控除は年末残高×0.7%。100万円の繰上返済を12月にすると控除が7,000円減る
- ただし控除期間が残り、控除を引ききれている人に限った話
よくある質問(FAQ)
Q. 年内に間に合わせないといけないものは何ですか?
A. ふるさと納税、NISAの年間投資枠、iDeCoの掛金、暦年贈与の110万円、医療費控除の対象となる支払いです。いずれも1月1日から12月31日で区切られ、使わなかった分を翌年に持ち越すことはできません。
Q. NISAの年間投資枠は埋めたほうがいいのですか?
A. 埋めることが目的ではありません。年間投資枠はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円で、使わなかった分は翌年に繰り越せませんが、生活防衛資金を削ってまで埋める性質のものではありません。余裕資金の置き場として枠が残っているなら年内に使う選択肢がある、という位置づけで考えるのが無理のない使い方です。
Q. なぜ住宅ローンの繰上返済は1月のほうがいいのですか?
A. 住宅ローン控除の額が年末時点の残高をもとに計算されるためです。12月に繰上返済すると年末残高が減り、その年の控除額も減ります。100万円を繰上返済する場合、控除額は7,000円(100万円×0.7%)減ります。1月に回せばその年の控除は満額のままで、余分にかかるのは1か月分の利息だけです。金利1.0%なら833円なので、差し引き6,167円分だけ1月のほうが有利になります。
Q. 繰上返済を1月にする話は、誰にでも当てはまりますか?
A. 当てはまりません。住宅ローン控除の期間が残っていて、かつ控除できる額を所得税と住民税から実際に引ききれている場合の話です。控除期間が終わっていれば年末残高は関係ありませんし、年末残高が借入限度額を上回っている人や、納める税金より控除額が大きい人は、残高が減っても実際の還付額が変わらないことがあります。
Q. ふるさと納税は12月31日まで待って大丈夫ですか?
A. その年の寄附として扱われるのは12月31日までに手続きが完了したものですが、自治体や決済方法によって受付の締切は前倒しになります。また人気の返礼品は年末に品切れが出ます。上限額を先に把握し、余裕のあるうちに寄附先を決めておくほうが選択肢が残ります。
参考・出典
- 金融庁:NISAを知る(新しいNISA)
- 金融庁:NISA特設ウェブサイト よくある質問
- 総務省:ふるさと納税のしくみ 税金の控除について
- 国税庁:No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
※本記事は制度の一般的な説明です。特定の金融商品の購入や返済方法を勧めるものではありません。個別の判断は、ご自身の状況に合わせてご検討ください。

