※本記事は2026年9月時点の情報です。奨学給付金の実施状況や必要書類は、お住まいの都道府県によって異なります。
まず結論:3行でわかる要点
- 2026年度から、授業料の支援(就学支援金)の所得制限がなくなった
- 支給の上限は、公立11万8,800円・私立45万7,200円
- ただし支援されるのは授業料だけ。教科書代や修学旅行費は含まれない
- 授業料以外は奨学給付金。年収490万円程度までが目安(家族構成で異なる)で、別に申請が必要
「高校は無償化された」とよく聞きます。ただ、実際に子どもが高校に入ると、それなりの額を払っている家庭が多いはずです。
無償になるのは授業料で、しかも上限があります。教科書代も修学旅行の積立も、制服代も対象外です。そこには別の給付金が用意されていますが、こちらは自分で申請しないと出ません。
この記事では、2026年度に何が変わったのかと、2つの制度の役割分担を整理します。
2026年度から、所得制限がなくなった
高等学校等就学支援金という制度です。2026年度から新しい制度になり、所得制限(収入などに応じて対象を制限すること)がなくなって、世帯年収にかかわらず支援を受けられるようになりました。
| 通っている学校 | 年額の支給上限 |
|---|---|
| 公立高校 | 11万8,800円(公立高校の授業料に相当) |
| 私立高校 | 45万7,200円(私立の平均授業料を勘案した水準) |
| 私立高校の通信制 | 33万7,200円 |
| 国立高校 | 実質無償 |
私立の45万7,200円は、私立高校の平均授業料をもとに決められた額です。平均より授業料の高い学校なら、差額は自己負担になります。「私立でもタダ」ではなく、「平均的な私立の授業料までは出る」という設計です。
支援金は保護者に振り込まれるのではなく、学校が代わりに受け取って授業料に充てる形(代理受領)です。
対象になる学校は高校だけではない
- 高等学校(全日制・定時制・通信制)
- 中等教育学校の後期課程
- 特別支援学校の高等部
- 高等専門学校の1〜3年
- 専修学校の高等課程
- 専修学校一般課程と各種学校のうち、国家資格者養成課程を置くもの
- 海上技術学校
在校生には経過措置がある
新制度の対象外となる在校生には、旧制度と同じ支援が続きます。
- 支給上限:私立39万6,000円、公立11万8,800円
- 年収の目安:590万円・910万円という所得の区切りがある
新入生で対象外となる方にも、同等の水準の予算措置がとられています。
無償になるのは授業料だけ
ここが「無償化」という言葉と実感がずれるところです。就学支援金が充てられるのは授業料であって、次のようなものは含まれません。
- 教科書費・教材費
- 学用品費・通学用品費
- 入学時にそろえる学用品(制服など)
- 教科外活動費(部活動など)
- 通信費
- 修学旅行の積立
これらのために別の制度があります。高校生等奨学給付金です。
授業料以外は、奨学給付金で支える
返還のいらない給付金です。2026年度から対象が広がり、年収490万円程度までの世帯が入るようになりました。それまでは住民税非課税世帯(住民税がかからない世帯)などが中心でした。年収の目安は、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)と中学生1人がいる4人世帯の場合です。
| 世帯の区分(年収の目安) | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 生活保護世帯 | 3万2,300円 | 5万2,600円 |
| 住民税非課税世帯 (270万円未満) |
14万3,700円 | 15万2,000円 |
| 270万〜380万円 (2026年度から) |
4万7,900円 | 5万670円 |
| 380万〜490万円 (2026年度から) |
3万5,930円 | 3万8,000円 |
※上の表は全日制等の年額です。通信制の年額は次のとおりです。
| 世帯の区分(通信制) | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 住民税非課税世帯 | 5万500円 | 5万2,100円 |
| 270万〜380万円 | 1万6,830円 | 1万7,370円 |
| 380万〜490万円 | 1万2,630円 | 1万3,030円 |
※実際の判定には、保護者全員の住民税の所得割額(所得に応じて決まる税額)を合計した額を使います。道府県民税と市町村民税の両方が対象です。
非課税世帯で私立なら年15万2,000円。教科書と教材、部活動の費用を考えると、ここが出るかどうかは大きい差です。

申請しないと、どちらも出ない
就学支援金も奨学給付金も、申請して初めて支給されます。文部科学省の案内にも「申請手続きが必要です」と明記されています。
奨学給付金は時期でも変わる
申請先は都道府県または学校です。
- 7月1日までに申請:年額が給付される
- 7月2日以降に申請:年額を月割り(対象になる月数に応じて計算)にした額になる
同じ制度でも、遅れると受け取れる額が減ります。
新入生は4月から6月にかけて、一部を早期に受け取る申請ができる場合もあります。
また、保護者の病気やけが、自分の責任ではない離職などで収入が大きく減った場合には、家計急変として支援を受けられる仕組みもあります。年度の途中で状況が変わったときは、待たずに学校か都道府県に相談してください。
結局、何にいくら備えるのか
授業料は制度の上限まで支援されます。備えを考えるのは、上限を超える授業料と、それ以外の費用です。
- 私立で平均より授業料が高い学校を選んだ場合の差額
- 入学時の制服・学用品、施設費や設備費といった学校ごとの費用
- 修学旅行の積立や部活動の費用
- 通学の定期代
- 塾や予備校の費用
奨学給付金の対象になる世帯なら、そのうち一部が戻ってきます。対象外の世帯は、ここが丸ごと家計の負担です。「無償化」でカバーされない費用も含めて、計画を立てておきます。
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

高校のあとには大学が控えています。授業料以外まで含めて、いくら必要になるか見ておくと備えやすくなります。
まとめ
- 2026年度から就学支援金の所得制限が撤廃された
- 上限は公立11万8,800円、私立45万7,200円、私立通信制33万7,200円
- 私立の額は平均授業料が基準。それより高い学校は差額が自己負担
- 対象は授業料のみ。教科書・制服・修学旅行は含まれない
- 授業料以外は奨学給付金。2026年度から年収490万円程度までに拡充
- 非課税世帯なら私立で年15万2,000円。国公立で14万3,700円
- 2つは別々に申請。奨学給付金は7月2日以降の申請だと月割りになる
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年度から高校の授業料は本当に無償になったのですか?
A. 所得制限は撤廃されましたが、支給には上限があります。公立高校は年11万8,800円、私立高校は年45万7,200円、私立の通信制は年33万7,200円が上限です。私立の額は平均授業料をもとに決められているため、それより授業料の高い学校では差額が自己負担になります。また支援の対象は授業料のみで、教科書代や制服代、修学旅行費は含まれません。
Q. 就学支援金を受けていれば、奨学給付金も自動で受け取れますか?
A. いいえ。2つは別の制度で、別々に申し込む必要があります。授業料の支援を受けていても、奨学給付金は自分で都道府県または学校に申請しないと支給されません。申請先や必要書類は都道府県によって異なります。
Q. 奨学給付金はいくらもらえますか?
A. 2026年度の全日制等の年額では、住民税非課税世帯(年収270万円未満の目安)で国公立14万3,700円・私立15万2,000円です。年収270万〜380万円の世帯は国公立4万7,900円・私立5万670円、380万〜490万円の世帯は国公立3万5,930円・私立3万8,000円。生活保護世帯は国公立3万2,300円・私立5万2,600円です。
Q. 申請の時期によって金額は変わりますか?
A. 奨学給付金は変わります。7月1日までに申請すれば年額が給付されますが、7月2日以降の申請では年額を月割りにした額になります。新入生は4月から6月にかけて一部を早期に受け取る申請ができる場合もあるため、学校からの案内を確認してください。
Q. 年度の途中で収入が減ったときはどうなりますか?
A. 家計急変への支援があります。保護者の負傷や疾病で勤務できない、自分の責任によらない理由で離職したなど、都道府県が定める事由で収入が得られなくなり、世帯年収が所得要件に相当する水準まで下がった場合が対象です。事由が起きたら、速やかにお住まいの都道府県または学校に相談してください。
参考・出典
※奨学給付金の実施状況や必要書類は都道府県ごとに異なります。手続きの詳細は、学校またはお住まいの都道府県にご確認ください。


