※本記事は2026年8月時点の情報です。手続きの詳細や必要書類は、加入する健康保険や市区町村により異なる場合があります。
まず結論:3行でわかる要点
- やることは「勤め先で入る」か「自分で入る」かの2パターンに分かれる
- 自分で入る場合は14日以内に市区町村へ。ここだけは期限が決まっている
- 扶養から外す届出は配偶者の勤め先を通す。自分では出せない
2026年10月から、社会保険の加入ルールが変わります。「月の賃金8.8万円以上」という条件がなくなり、週20時間以上働いていれば加入の対象になります。厚生労働省の試算では、新たに約200万人が対象になるとされています。
制度の中身は106万円の壁が撤廃される記事で整理しました。この記事では、その先の話をします。実際に扶養を外れることになったとき、何を、どこに、いつまでに出すのか。
最初に確認:自分はどちらのパターンか
扶養を外れるといっても、その後の行き先は2つあります。ここを取り違えると、必要のない窓口に行くことになります。
| パターンA | パターンB | |
|---|---|---|
| どんな人 | 自分の勤め先で社会保険に入る(週20時間以上など) | 扶養は外れるが、勤め先では入らない |
| 入る健康保険 | 勤め先の健康保険 | 国民健康保険 |
| 入る年金 | 厚生年金(第2号被保険者) | 国民年金(第1号被保険者) |
| 役所に行く | 行かなくてよい | 14日以内に行く |
| 保険料 | 給与から天引き。勤め先が半分出す | 全額を自分で払う |
2026年10月の改正で新しく対象になる方の多くは、パターンAです。週20時間以上働いていて、勤め先で社会保険に入ることになる形です。
パターンA|勤め先の社会保険に入る場合
やることは少ないのですが、ひとつだけ自分から動く必要があります。配偶者の勤め先への連絡です。
| 何を | 誰が・どこに | いつ |
|---|---|---|
| 自分の社会保険への加入 | 自分の勤め先が年金事務所へ | 勤め先が手続き |
| 扶養から外す届出 | 配偶者の勤め先が年金事務所へ (本人が直接は出せない) |
加入が決まったらすぐ |
| 国民年金の切り替え | 手続き不要 | 自動で第2号になる |
扶養から外す書類の正式名称は「健康保険 被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」といいます。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、提出するのは事業主です。つまり配偶者が会社に伝えなければ、話が動きません。
ここでつまずく人が多い
自分の勤め先で手続きが済んだから、それで全部終わったと思ってしまうケースです。配偶者側の会社への連絡が抜けると、扶養に入ったままの状態が残ります。あとから資格がさかのぼって取り消され、その間に使った医療費の返還を求められることがあります。加入が決まったら、その日のうちに配偶者へ伝えてください。
パターンB|自分で国保・国民年金に入る場合
勤め先の社会保険に入らないまま扶養を外れる場合は、自分で市区町村の窓口に行きます。ここには明確な期限があります。
| 何を | どこに | いつまでに |
|---|---|---|
| 扶養から外す届出 | 配偶者の勤め先を通して | すぐ |
| 国民年金の種別変更(3号→1号) | 住所地の市区役所・町村役場 | 14日以内 |
| 国民健康保険への加入 | 同じ窓口で一緒に | 14日以内 |
年金の書類は「国民年金被保険者関係届書(申出書)」です。国民健康保険の加入と同じ窓口で済むことがほとんどなので、一度で両方を済ませてしまうのが効率的です。
持っていくもの
- 扶養から外れた日がわかる書類(資格喪失証明書など)
- 基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書、年金手帳など)
- マイナンバーカード、または通知カードと本人確認書類
資格喪失証明書は、配偶者の勤め先の健康保険から発行されます。手続きの順番としては、先に配偶者の会社に届出を出してもらい、証明書を受け取ってから役所に行く流れになります。
返すもの、受け取るもの
扶養を外れると、それまで使っていた保険の資格がなくなります。手元にある書類を返す必要があります。
返すもの
資格確認書、高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証、限度額適用・標準負担額減額認定証。交付されているものがあれば、扶養から外す届出に添えて返却します。窓口は配偶者の勤め先です。
マイナ保険証を使っている場合、カードそのものを返す必要はありません。健康保険の資格の情報が新しいものに切り替わるだけです。ただし切り替えの反映には数日かかることがあります。その間に受診の予定があるなら、新しい勤め先で資格確認書を発行してもらうと確実です。
手続きが終わったあとに変わること
手続きそのものより、その後の変化のほうが生活に影響します。
- 保険料が給与から引かれる。パターンAなら健康保険料と厚生年金保険料が天引きされます。半分は勤め先が負担します
- 配偶者の会社の家族手当が止まることがある。扶養を条件にしている会社が多いので、就業規則を確認しておくと安心です
- 将来の年金が増える。厚生年金に入った期間は、老齢厚生年金として上乗せされます
- 傷病手当金や出産手当金が使えるようになる。扶養に入っている間は対象外でした
手取りが減る面と、増える面の両方があります。どちらか一方だけを見て判断すると、実態からずれます。
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

週の労働時間と勤め先の規模を入れると、自分が加入の対象になるかどうかがわかります。手続きの前に、まずここを確かめてください。
まとめ
- 扶養を外れたときの行き先は勤め先の社会保険か国保・国民年金の2つ
- 勤め先で入るなら役所に行く必要はない。国民年金も自動で切り替わる
- 自分で入るなら14日以内に市区町村へ。国保と年金は同じ窓口で済む
- どちらの場合も扶養から外す届出は配偶者の勤め先を通す。本人は出せない
- 資格確認書や各種認定証は返却する
- 期限を過ぎても手続きはできるが、保険料はさかのぼってかかる
よくある質問(FAQ)
Q. 扶養から外れる手続きは自分でできますか?
A. 扶養から外す届出は本人が直接は提出できません。「健康保険 被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」を、配偶者の勤め先の事業主が事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。まず配偶者に会社へ伝えてもらう必要があります。自分で市区町村の窓口に行くのは、勤め先の社会保険に入らず国民健康保険と国民年金に加入する場合です。
Q. 扶養を外れたら、いつまでに手続きすればいいですか?
A. 国民年金を第3号被保険者から第1号被保険者に変更する場合は14日以内です。国民健康保険への加入も同じく14日以内とされています。勤め先の社会保険に加入する場合は、勤め先が手続きを行うため、本人が市区町村で行う手続きはありません。
Q. 14日を過ぎてしまったらどうなりますか?
A. 期限を過ぎても手続き自体はできます。ただし保険料は扶養を外れた日にさかのぼって計算されるため、遅れた分がまとめて請求されます。また手続きが済むまでの間に医療機関にかかると、窓口でいったん全額を負担することになります。あとから払い戻しを受けられる場合もありますが、手間がかかります。
Q. 勤め先で社会保険に入る場合、国民年金の手続きは必要ですか?
A. 必要ありません。厚生年金に加入すると国民年金の第2号被保険者になり、種別は自動的に切り替わります。市区町村の窓口に行く必要はありません。ただし配偶者の勤め先を通じた扶養から外す届出は別途必要です。
Q. 健康保険証は返さないといけませんか?
A. 交付されている資格確認書、高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証、限度額適用・標準負担額減額認定証は、扶養から外す届出に添えて返却します。マイナンバーカードを保険証として使っている場合、カード自体を返す必要はありません。資格の情報が新しいものに切り替わります。
参考・出典
本記事は情報提供を目的とした一般的な解説です。必要書類や窓口の運用は加入する健康保険組合、お住まいの市区町村によって異なる場合があります。実際の手続きにあたっては、勤め先または年金事務所、市区町村の窓口にご確認ください。

