1か月の必要生活費はいくら?|家計簿の平均・年払いの月割り・これから変わる分の3ステップ

1か月の必要生活費はいくら?家計簿から3ステップで出す 家計・節約
約10分で読めます

※本記事は2026年10月時点の情報です。国民年金保険料は令和8年度(2026年度)の額、家計調査は2025年平均の結果です。国民健康保険料や住民税は、お住まいの市区町村や前の年の所得によって変わります。

まず結論:3行でわかる要点

  • 必要生活費は、収入が止まっても払い続けるお金。毎月の支出から、NISAなどの積立のように止められるものを除いて出す
  • 出し方は3ステップ:①直近3か月の支出の平均 ②年払いを12で割って足す ③これから変わる分を足し引きする
  • 会社を辞めたり休んだりすると、天引きだった社会保険料を自分で払う・住民税は前の年の所得で届くので、そのぶん多めに見積もる

「生活防衛資金は生活費の6か月分」「保険は生活費をもとに考える」。お金の話ではよく生活費が出てきます。でも、自分の家の1か月の生活費がいくらなのか、すぐに答えられる人は多くありません。

この記事では、1か月の必要生活費を、家計簿や明細から自分で出す手順を3つのステップで整理します。感覚で決めるのではなく、明細の数字を足していくやり方です。

ユキ

生活防衛資金は6か月分って言うけど、そもそも僕の家の生活費っていくらなんだろう?
モリガマ

感覚で決めると少なめになりやすいんだ。明細を見ながら3ステップで出してみよう。

必要生活費とは?「使っているお金」との違い

この記事でいう必要生活費は、収入が止まったとしても、暮らしを続けるために払い続けるお金のことです。家賃や食費、水道光熱費、通信費、保険料などが入ります。

毎月の支出とまったく同じではありません。たとえばNISAやiDeCoの積立、貯金への振り替えは、収入が止まったら止められるので除きます。家計簿アプリでは、積立や口座間の移動が「支出」に入っていることがあるので、まずそこを外しておきます。

入れるもの 除くもの
家賃・住宅ローン、食費、水道光熱費、通信費、保険料、日用品、交通費、こづかい、子どもの費用 NISA・iDeCoの積立、貯金への振り替え、自分の口座どうしの移動、ボーナスで買った一時的な大きな買い物

外食や旅行のように、いざとなれば減らせるお金もあります。これは除かずに入れておき、余裕があれば横に「切り詰めたときの額」も書いておくと、備えの幅がわかります。

ステップ1:直近3か月の支出を平均する

まず、直近3か月の支出を合計して3で割ります。1か月だけだと、夏や冬の電気代、まとめ買い、季節の行事などで上下するためです。

数字は、家計簿アプリ、クレジットカードの明細、銀行口座の引き落とし、電子マネーの履歴から集めます。現金で払ったものは抜けやすいので、ATMで引き出した額をそのまま「現金の支出」として入れてしまうのも一つのやり方です。

費目 どこで確かめるか 3か月の平均
住居(家賃・管理費) 口座の引き落とし    円
食費(外食を含む) カード・電子マネー    円
水道光熱費 検針票・カード    円
通信費(スマホ・ネット) カード    円
保険料(月払いの分) 口座・カード    円
日用品・衣類・美容 カード・現金    円
交通・車(ガソリン・駐車場) カード・交通系IC    円
こづかい・交際費・趣味 現金・カード    円
医療費・その他 カード・現金    円
合計(A)      円

※会社員の健康保険料・厚生年金保険料・税金は、給料から天引きされていて家計簿には出てきません。ここでは入れずに進め、ステップ3で必要な人だけ足します。

目安として、総務省の家計調査(2025年平均)では、1か月の消費支出は二人以上の世帯で314,001円、単身世帯で173,042円でした。ただし、二人以上の世帯の世帯主の平均年齢は60.7歳、単身世帯の平均年齢は58.6歳で、若い世帯とは中身が違います。平均と比べるより、自分の家の実額を出すことを優先しましょう。

ステップ2:年払い・ときどきの出費を12で割って足す

3か月の平均には、年に1回だけ、数年に1回だけ払うお金が入っていないことがよくあります。必要生活費でいちばん抜けやすいところです。

  • 保険料の年払い、自動車税、車検、NHKの受信料、年会費、サブスクの年額プラン
  • 帰省・旅行、冠婚葬祭、お年玉や贈りもの
  • 家電・家具の買い替え、スマホの買い替え、賃貸の更新料

1年分の合計を出して、12で割った額を毎月の生活費に足します。たとえば年払いの合計が24万円なら、月2万円です。去年の明細やカードの年間利用明細を見ると、思い出しやすくなります。

ユキ

自動車税や更新料、毎月の生活費だと思ってなかった……。
モリガマ

年に1回でも、毎年来るなら生活費の一部。月割りにすると見えてくるよ。

ここまでの「ステップ1の平均(A)+年払いの月割り(B)」が、いまの暮らしの1か月の必要生活費です。

ステップ3:これから変わる分を足し引きする

最後に、使うときの場面に合わせて足し引きします。生活防衛資金のように「収入が止まったとき」に使う数字なら、いまの生活費のままでは足りないことがあります。

収入が止まったときに増えるお金

会社員は、健康保険料・年金保険料・住民税が給料から天引きされています。会社を辞めたり、収入が途切れたりすると、これを自分で払うことになります。

増えるもの 中身
国民年金保険料 令和8年度は1人あたり月17,920円。会社を辞めて第1号被保険者になると払う。払えないときは免除・猶予の仕組みがある
健康保険料 国民健康保険に入るか、前の勤め先の健康保険を任意継続する。どちらも前の年の所得などで決まり、市区町村や加入先で額が違う
住民税 前の年の所得にかかるので、収入が止まっても翌年まで届く

国民健康保険料や住民税の額は、市区町村のホームページの試算や、前の年の住民税の通知書で目安をつけられます。退職した翌年の住民税は退職した翌年の住民税の記事、国民年金が払えないときは免除・猶予の記事にまとめています。

一方で、入ってくるお金もあります。会社員が病気やけがで休むときは、健康保険から傷病手当金が出ます。1日あたりの額は、直近12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2で、支給は通算1年6か月までです。給料のおよそ3分の2なので、生活費との差額を考える手がかりになります(傷病手当金の記事)。

暮らしが変わって増える・減るお金

1〜2年のうちに暮らしが変わる予定があるなら、それも書き出します。

  • 出産・育休:育休中は給付金が出て、社会保険料が免除される。おむつ・ミルクなど子どもの費用が増える(育休中の収入の記事)
  • 保育園:0〜2歳は保育料がかかることが多く、3歳からは無償化の対象になる(保育料の記事)
  • 引っ越し・車:家賃が変わる、車を持つ・手放す
  • 子どもの進学:入学の年は制服や教材などの出費がまとまって来る

これを「いま」と「これから」の2列で並べると、どの時期にいくら要るかが一目でわかります。

ユキの場合:育休の時期の、わが家の必要生活費

ユキの家は夫婦とも会社員で、来年子どもが生まれる予定です。家計はマネーフォワードで記録しています。実際に3ステップで出してみました。

ステップ いま 子どもが生まれたあと
①3か月の平均(積立は除く) 約30万円 約30万円
②年払いの月割り 約2万円 約2万円
③これから変わる分 なし 子どもの費用 約2万円(見込み)
1か月の必要生活費 約32万円 約34万円

育休の時期は、世帯の収入が減る一方で、生活費は少し増えます。育休中は社会保険料が免除されますが、住民税は前の年の所得にかかるので、育休中も払い続けます。収入と支出の両方が動く時期なので、2列にしておくと見通しが立てやすくなりました。

ユキ

感覚では25万円くらいだと思ってたけど、年に1回の出費も入れて計算したら34万円だった!
モリガマ

実額がわかると、備える額も決めやすいね。次はこの数字を使ってみよう。

※ユキの数字は丸めた額です。子どもの費用は、生まれる前の見込みとして置いています。

出した数字の使い道

1か月の必要生活費がわかると、いろいろな「いくら要る?」に答えやすくなります。

  • 生活防衛資金:必要生活費の何か月分を持つか。何か月分にするかは、働き方や家族の状況で変わる(生活防衛資金の考え方)
  • 保険の保障額:公的な保障で足りない分を考えるときの土台になる
  • 固定費の見直し:費目ごとの額が見えるので、どこを見直すか決めやすい(固定費の記事)

モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

モリガマのがま口がパカッと開いてツールが出てくる

出した1か月の必要生活費を入れると、生活防衛資金の目安と、いまの貯金で何割たまっているかがわかります。

まとめ

  • 必要生活費は、収入が止まっても払い続けるお金。積立や貯金への振り替えは除く
  • ①直近3か月の支出の平均を出す
  • ②年払い・ときどきの出費を12で割って足す。いちばん抜けやすい
  • ③これから変わる分を足し引きする。収入が止まると、社会保険料を自分で払い、住民税は前の年の所得で届く
  • 「いま」と「これから」を2列にすると、時期ごとの必要額が見える
モリガマ

一度出しておけば、暮らしが変わったときに直すだけ。年に1回見直すと安心だよ。

よくある質問(FAQ)

Q. 必要生活費と生活費は何が違いますか?

A. この記事では、収入が止まっても暮らしを続けるために払い続けるお金を必要生活費としています。毎月の支出から、NISAやiDeCoの積立、貯金への振り替えなど、収入が止まれば止められるものを除いた額です。

Q. 何か月分の支出で平均を出せばいいですか?

A. 直近3か月が一つの目安です。1か月だけだと季節の電気代やまとめ買いで上下します。あわせて、年払いや数年に1回の出費は1年分を12で割って足すと、抜けが少なくなります。

Q. 会社を辞めたら、生活費はどれくらい増えますか?

A. 天引きだった社会保険料を自分で払うようになります。国民年金保険料は令和8年度で1人あたり月17,920円です。国民健康保険料と住民税は前の年の所得などで決まり、市区町村によって額が違うため、市区町村の試算や前年の通知書で目安を確かめてください。

Q. 平均の生活費はいくらですか?

A. 総務省の家計調査(2025年平均)では、1か月の消費支出は二人以上の世帯で314,001円、単身世帯で173,042円でした。ただし世帯主の平均年齢が60歳前後の集計なので、目安にとどめ、自分の家の実額を出すほうが役に立ちます。

参考・出典

※本記事は家計の数字の出し方の一般的な解説です。国民健康保険料・住民税・各種給付の額は、お住まいの市区町村や加入している健康保険、前の年の所得によって異なります。具体的な額は各窓口でご確認ください。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
プロフィールを詳しく見る / 編集方針

免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項・編集方針をご覧ください。
家計・節約
森のおかね図書館管理人をフォローする
タイトルとURLをコピーしました