子ども・子育て支援金、自分はいくら引かれる?|2026年4月からの天引きを年収別に

来月から始まる子ども・子育て支援金、自分はいくら引かれる? お金の基礎
約9分で読めます

「4月から給料の天引きが増えた」って本当?

ユキ

「先輩に『4月から天引きが増えたよ』って言われたんだけど……子ども・子育て支援金って何? 僕、まだ子どもいないのに引かれるの?」
モリガマ

「2026年4月に始まった制度だよ。まず、どんな人がどう負担するのかを表で見てみよう。」

2026年4月、給与明細に新しい天引き項目が登場しました。子どもがいてもいなくても、公的医療保険に入っている人が負担の対象です。金額は収入によって変わります。「子ども・子育て支援金」です。金額は月数百円〜千円弱が多いですが、「なぜ独身の自分が払うのか」「本当に損なのか」と感じている人も多いのではないでしょうか。

この記事では制度の仕組みを中立的に整理し、ツールで「あなたの場合」を計算できるようにします。損か得かの結論は出しません。判断の材料を揃えることがゴールです。

制度の基本:誰が・いくら・何のために払うのか

対象者と徴収方法

子ども・子育て支援金は、公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)に加入するすべての人が負担する制度です。2024年6月に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づき、2026年4月から徴収が開始されました。

負担のしかたは、加入している保険によって違います。扶養に入っている家族のように、直接の負担がない人もいます。

区分 負担方法 備考
会社員・公務員 給与・賞与から天引き(労使折半) 産休・育休中は免除
自営業・フリーランス 国民健康保険料に上乗せ 折半なし・全額自己負担
専業主婦・被扶養者 直接負担なし 会社員の健康保険では、扶養家族の分の追加負担はない

2026年度の負担額(目安)

会社員の2026年度の個人負担率は、標準報酬月額(保険料の計算に使う、月給を区切りのよい額に当てはめたもの)の0.115%です(会社も同額を負担)。賞与からも同じ率で引かれます。年収別の月額目安は以下のとおりで、年額は月額の12か月分(賞与の分は含まない)です。

年収の目安 月額負担(概算) 年額負担(概算)
200万円 約190円 約2,300円
400万円 約380円 約4,600円
600万円 約575円 約6,900円
800万円 約770円 約9,200円
1,000万円 約960円 約11,500円

また、2027年度・2028年度にかけて料率は段階的に引き上げられる予定です(具体的な料率は現時点で未公表)。

ユキ

「年収400万円の僕だと月380円か……思ったより少ないな。でも2028年には増えるんだよね。」
モリガマ

「そう。ボーナスがある人は、その分も年額に加わるよ。自分の場合の目安は、ツールで確認してみてね。」

何に使われるのか:法的に用途は固定されている

集めた支援金は、使い道が法律で決められており、少子化対策以外には使えません。主な使途は以下のとおりです。

  • 児童手当の拡充(高校生まで延長・所得制限撤廃)
  • 妊婦支援給付(妊娠届出時・後期各5万円)
  • こども誰でも通園制度(0歳6か月〜3歳未満・月10時間までの保育所などの利用)
  • 育児休業給付の拡充(両親ともに取得で手取り10割相当・最大28日間)
  • 育児時短勤務給付(時短勤務中の賃金の10%)

自分は損?得? 立場によって答えは違う

ユキ

「でも、これって子供がいる人だけ得をして、まだ子どもがいない僕は損するだけじゃないの?」
モリガマ

「正直に整理するね。立場によって「損得の見え方」はまったく違うんだ。」

子あり世帯:トータルでプラスになるケースが多い

児童手当は0歳から高校卒業まで受給できます(所得制限なし)。こども家庭庁の試算(子ども1人あたり・高校生年代まで)は次のとおりです。

  • 今回の加速化プランで増える給付:約146万円
  • これまでの平均的な児童手当:約206万円
  • 合計:約352万円

一方、負担のほうは会社員1人の例です。年収400万円・現在30歳の会社員の生涯負担総額は、2028年度の料率で試算すると数十万円程度です。給付は子ども1人あたり、負担は親1人あたりの数字ですが、子どもがいる世帯では受け取る給付が生涯負担を上回るケースが多いといえます。

出産予定あり:育休中の免除と給付が大きい

産休・育休中は支援金の徴収が免除されます。また、妊娠中に妊婦支援給付(子ども1人なら合計10万円)を受けられます。子供が生まれてから高校卒業まで児童手当が受け取れることを考えると、長期的にはプラスになりやすい立場です。

独身・子なし:直接給付は0円、正直に言う

「独身だから損か」と問われれば、直接受け取れる給付は現時点でゼロです。これは事実として明記します。ただし、「間接的なメリットがまったくない」とも言い切れません。

現在、現役世代2.03人で高齢者1人を支えています。少子化が続くと、この比率が悪化し、将来の年金目減りや医療費の自己負担増につながります。この制度で少子化がわずかでも改善されれば、その悪化幅が縮小される可能性があります。

ただし、効果が現れるまでには最低でも15〜20年かかります。即効性はなく、今の現役世代の老後に間に合うかどうかは不確かです。これも正直に伝えておきます。

自分の負担額と損得を、数字で確かめてみよう

ユキ

「目安の表はわかったけど、賞与や子どもの年齢で変わるんだよね。自分の場合の目安が知りたいな……」

モリガマのがま口がパカッと開いてツールが出てくる

モリガマ

「自分の場合の負担額を試算できるツールを用意したよ。」

入力するのは、雇用形態・標準報酬月額(収入)・賞与・家族構成です。2026年度の月額負担から生涯負担総額まで試算できます。子あり世帯は児童手当との損得比較、独身世帯は間接メリットの数字まで確認できます。

賛否両論:支持意見と反対意見を整理する

この制度には「賛成」「反対」双方の意見があります。どちらが正しいかを決めるのは読者自身です。

支持する側の主な意見

  • 児童手当の拡充・高校生への延長は子育て世帯の家計を実質的に支える
  • 育休取得を促進し、両親ともに育休を取りやすい環境が整う
  • 使い道が法律で決められており、別の目的には使えない仕組みになっている
  • 少子化が改善されれば、将来の社会保障制度の持続性に寄与する

反対・懸念する側の主な意見

  • 独身・子なし世帯には直接の給付がなく、負担感が強い
  • 少子化改善の効果が現れるまでに長い年月がかかる
  • 2028年度以降も「毎年見直しの対象」とされており、引き上げの可能性が否定できない
  • 少子化の根本原因(賃金・住宅コスト等)への対処が先では、という意見
ユキ

「なるほど……子供ができる予定がある僕にとっては、長い目で見ればプラスかもしれないけど、即効性がないのは確かだよね。」
モリガマ

「そう、それが正直なところだよ。この制度を「損」と見るか「社会への間接投資」と見るかは、立場や価値観によって変わる。どちらが正解という話ではないんだよね。」

まとめ:数字を確認してから考える

子ども・子育て支援金について、整理すると以下のようになります。

  • 対象は健康保険加入者全員(子供の有無に関係なし)
  • 2026年度の個人負担は標準報酬月額の0.115%・月数百円程度が多い
  • 2027〜2028年度にかけて段階的に引き上げ予定
  • 使途は法律で少子化対策に限定(転用不可)
  • 子どもがいる世帯は、受け取る給付が負担を上回るケースが多い
  • 独身・子なし世帯への直接給付はゼロ。間接メリットはあるが即効性はない

「損か得か」の結論はあなた自身のライフプランや価値観によって変わります。まずは自分の数字を確認することが出発点です。


本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。

参考情報・公的機関リンク

本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 子ども・子育て支援金とは?

少子化対策の財源として、2026年4月から公的医療保険料に上乗せして全世代から徴収される仕組みです。集めたお金は児童手当の拡充などに使われます。

Q. 子育て支援金はいくら引かれる?

加入する医療保険や所得で異なり、段階的に引き上げられます。会社員は給与天引きで、年収に応じて月数百円〜千円台が目安です。

Q. 子どもがいない人も払う?

はい。子どもの有無にかかわらず、公的医療保険の加入者全体で広く負担する仕組みです。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
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