※本記事の数値・制度内容は2026年9月時点の情報(国土交通省「住宅ローン減税 Q&A」2026年7月更新版で確認)に基づきます。最新の正式情報は記事末尾の公的機関リンクからご確認ください。
・住宅ローン控除、いくら戻る?年収・借入額・住宅の種類で変わる仕組みでは「現行制度の使い方」を解説
・本記事は2026年改正の中身(5年延長/中古住宅拡充/2028年からZEH義務化)に焦点を当てます
住宅ローン控除は、住宅購入を後押しする日本最大級の減税制度です。2025年末で終了予定だった制度が、2026年度税制改正で大きく見直され、2030年末まで延長+中古住宅優遇の拡充+省エネ要件の段階的強化という3つの柱でリニューアルされました。この記事では、改正の中身を一つひとつ整理します。
改正の3つの柱
| 柱 | 内容 |
|---|---|
| 1. 適用期限5年延長 | 2030年12月31日まで入居が対象 |
| 2. 中古住宅の優遇拡充 | 控除期間が10年→13年に拡大/借入限度額の上限引き上げ |
| 3. 省エネ要件の段階的強化 | 2028年以降は「省エネ基準適合住宅」(最低基準)が対象外に |
1. 適用期限が2030年末まで5年延長
もともとの予定では2025年12月末で終了するはずだった住宅ローン控除。改正で2030年12月31日まで5年延長されました。つまり、2026年〜2030年に新築・取得して入居した人は引き続き利用できます。
住宅ローンの年末残高 × 0.7% を 13年間、所得税(控除しきれない分は住民税)から控除する制度(新築は2022年から原則13年。既存住宅は性能により10年または13年)。
2. 新築住宅の借入限度額(2026年版)
新築住宅の借入限度額は、住宅の省エネ性能と世帯属性で決まります。
| 住宅区分 | 一般世帯 | 子育て・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
※「子育て・若者夫婦世帯」とは、19歳未満の子を有する世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯。
3. 中古住宅の優遇拡充がポイント
2025年までは「新築重視」だった住宅ローン控除が、2026年から中古住宅の優遇が大幅に拡充されます。
中古住宅の主な変更点
| 項目 | 2025年まで | 2026年以降 |
|---|---|---|
| 控除期間 | 10年 | 13年(+3年) |
| 借入限度額(長期優良・ZEH等) | 3,000万円 | 3,500万円(+500万) |
| 床面積要件 | 50㎡以上 | 40㎡以上(−10㎡) 合計所得1,000万円超、子育て世帯等の上乗せを使う場合は50㎡以上 |
特に「控除期間10年→13年」は大きな改正です。これまで「新築なら13年・中古なら10年」と差がついていたところが、中古でも新築と同じ13年間控除を受けられるようになりました。
中古住宅でも子育て世帯は追加メリット
子育て世帯・若者夫婦世帯が省エネ性能の高い中古住宅(長期優良・ZEH水準)を購入する場合、借入限度額にさらに上乗せが入ります。中古でも実質的に新築と同等の優遇が受けられます。
4. 2028年からの省エネ要件強化
2028年(令和10年)以降に入居する新築住宅は、ZEH水準以上の省エネ性能が必要になります。最低ランクの「省エネ基準適合住宅」では原則として住宅ローン控除が受けられなくなります。ただし2027年末までに建築確認を受けたか、2028年6月30日までに建てられた住宅は、借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象になります。
| 入居時期 | 省エネ基準適合住宅の扱い |
|---|---|
| 2026〜2027年 | 借入限度額2,000万円で控除対象 |
| 2028年〜 | 原則として控除対象外(ZEH水準以上が必要)(2027年末までに建築確認を受けたか、2028年6月30日までに建てられた住宅は、借入限度額2,000万円・10年で対象) |
「これから家を建てる予定」「省エネ等級が中ランクの建売を検討している」人は、2027年末までの入居を目指すか、最初からZEH水準以上の住宅を選ぶかの判断が必要になります。
5. 災害レッドゾーンも対象外に
令和10年(2028年)以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の新築住宅は住宅ローン控除の対象外になります。立地適正化の観点からの変更で、購入予定地のハザードマップ確認が今まで以上に重要に。
具体的なシミュレーション
ケースA:年収500万円・子育て世帯・ZEH水準住宅
条件:2027年入居・ZEH水準・借入4,500万円・年収500万円・子1人
借入限度額:4,500万円(子育て世帯・ZEH)
年間控除額:4,500万 × 0.7% = 31.5万円
13年間の最大控除額:約 409.5万円
ケースB:年収600万円・夫婦のみ・省エネ基準住宅
条件:2026年入居・省エネ基準適合住宅・借入2,000万円・年収600万円・夫婦のみ
借入限度額:2,000万円(一般世帯)
年間控除額:2,000万 × 0.7% = 14万円
13年間の最大控除額:約 182万円(ただし2028年以降の入居は対象外なので要注意)
ケースC:中古住宅(長期優良)を購入
条件:2026年入居・長期優良中古住宅・借入3,500万円・年収500万円・子1人
借入限度額:4,500万円(子育て世帯加算後)※借入額3,500万円が全額そのまま控除の対象
年間控除額:3,500万 × 0.7% = 24.5万円
13年間の最大控除額:約 318.5万円(改正前の中古は借入限度額3,000万円・10年で最大210万円→改正で約108万円増)
家を買う予定がある人がやるべきこと
1. 入居時期で控除額が変わる
- 2026〜2027年:省エネ基準適合住宅でも対象(借入限度2,000万)
- 2028年〜:ZEH水準以上が必要(省エネ基準は原則対象外2027年末までに建築確認を受けたか、2028年6月30日までに建てられた住宅は、借入限度額2,000万円・10年で対象)
- 2030年末:制度終了(さらなる延長があるかは未定)
2. 子育て・若者夫婦世帯は5,000万円の借入限度
19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯は、長期優良住宅で5,000万円まで借入限度が拡大されます。該当する場合は積極的に活用したい優遇です。
3. 中古でも新築並みの優遇
「中古は不利」という認識は2025年までの話。2026年以降は控除期間が新築と同じ13年になり、長期優良・ZEH水準なら借入限度も大きく改善。立地・面積を重視するなら中古の選択肢が広がっています。
4. 災害ハザードマップを確認
2028年以降は土砂災害レッドゾーンの新築が対象外。購入予定地のハザード状況を必ず事前にチェック。
整理すると、こういうことだった
- 住宅ローン控除が2030年12月31日まで5年延長
- 新築の借入限度額:認定住宅4,500万・ZEH水準3,500万・省エネ基準2,000万(一般世帯)
- 子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額が500万〜2,000万円上乗せ(最大5,000万円)
- 子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の上乗せは2026年以降も継続(長期優良住宅で5,000万円)
- 中古住宅の控除期間が10年→13年に拡充、借入限度額もアップ
- 床面積要件が50㎡→40㎡以上に緩和(所得1,000万円超・子育て上乗せ利用は50㎡以上)
- 2028年以降の入居はZEH水準以上が原則に。省エネ基準適合住宅は、2027年末までの建築確認などの経過措置を除き対象外
- 2028年以降は土砂災害レッドゾーンの新築も対象外
あわせて読みたい
参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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国土交通省「住宅ローン減税」
— 住宅ローン控除制度の概要 -
財務省「令和8年度税制改正大綱」
— 2026年改正の正式情報 -
国税庁「住宅借入金等特別控除」
— 適用要件・申告手続き -
国土交通省「住宅性能評価・ZEH」
— ZEH水準・長期優良住宅の認定
よくある質問
Q. 2026年の住宅ローン控除はどう変わる?
適用期限が2030年末まで延長され、中古住宅の優遇が拡充されます。新築は省エネ基準を満たすことが要件で、住宅の種類により借入限度額が変わります。
Q. 住宅ローン控除はいくら戻る?
年末のローン残高の0.7%が最大13年間、所得税・住民税から控除されます。住宅の種類や入居年で借入限度額・控除期間が変わります。
Q. 2028年から何が変わる?
2028年以降に入居する新築住宅は、原則としてZEH水準以上でないと住宅ローン控除の対象になりません。省エネ基準適合住宅は、2027年末までに建築確認を受けたか2028年6月30日までに建てられたものに限り、借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象です。


