※本記事の数値・制度内容は2026年5月時点の情報(協会けんぽ令和8年度料率・厚生労働省第9期計画資料)に基づきます。最新の正式情報は記事末尾の公的機関リンクからご確認ください。
・親の介護費用はいくら?平均500万円の内訳と備え方では「介護にかかる費用」(給付を受ける側)を解説
・本記事は毎月支払う「介護保険料」(負担する側)の仕組みに特化し、40歳から始まる徴収・計算方法・年代別の金額目安を整理します
給与明細の控除欄に「介護保険料」が登場するのは、40歳の誕生日を迎えた月から。この記事では、介護保険料がいつ・どうやって・いくら徴収されるのかを、2026年度の最新数字で解説します。さらに65歳以降の徴収方法の切り替えや、退職後・自営業者の支払いまでを整理します。
介護保険の2つの被保険者区分
| 区分 | 対象年齢 | 徴収方法 | サービス利用条件 |
|---|---|---|---|
| 第2号被保険者 | 40〜64歳 | 健康保険料と一体で徴収 | 特定疾病(16種)に該当時のみ |
| 第1号被保険者 | 65歳以上 | 年金から特別徴収 or 普通徴収 | 原因問わず要介護・要支援認定 |
40歳になった月から「第2号被保険者」として徴収が始まり、65歳の誕生月から「第1号被保険者」に切り替わります。切替時に徴収主体が「健康保険」から「市区町村」に変わるのがポイントです。
① 40歳〜64歳:第2号被保険者の保険料
計算式(協会けんぽの場合)
※2026年度(令和8年度)協会けんぽの介護保険料率1.62%を会社と折半
標準報酬月額別の月額シミュレーション
| 月収(標準報酬) | 年収目安 | 本人負担(月額) | 本人負担(年額) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約300万円 | 1,620円 | 19,440円 |
| 30万円 | 約450万円 | 2,430円 | 29,160円 |
| 40万円 | 約600万円 | 3,240円 | 38,880円 |
| 50万円 | 約750万円 | 4,050円 | 48,600円 |
| 65万円 | 約1,000万円 | 5,265円 | 63,180円 |
年収450万円の会社員なら、40歳から介護保険料として年間約3万円を負担することになります。賞与には別途、標準賞与額×0.81%が課されます。
いつから天引きが始まる?
介護保険の資格取得日は「40歳の誕生日の前日」と決まっています。そのため:
- 4月2日生まれ:4月から徴収開始
- 5月1日生まれ:4月から徴収開始(前日が4月30日のため)
給与天引きのタイミングは会社によって1か月遅れることもあります。給与明細で「介護保険料」が突然増えていたら40歳の誕生月を迎えたサインです。
② 65歳以上:第1号被保険者の保険料
計算の仕組み
65歳以降は市区町村が3年ごとに改定する基準額をベースに、所得段階に応じて13段階程度に分けて決まります。2024〜2026年度の全国平均基準額は月額6,225円(第9期計画)です。
| 所得段階(例) | 基準額に対する乗率 | 月額目安(全国平均) |
|---|---|---|
| 生活保護受給・年金80万以下 | 0.285 | 約1,774円 |
| 本人非課税・年金80〜120万 | 0.485 | 約3,019円 |
| 本人課税・合計所得120〜210万 | 1.000(基準額) | 6,225円 |
| 合計所得320〜420万 | 1.700 | 約10,583円 |
| 合計所得720万超 | 2.400 | 約14,940円 |
※乗率・段階数は市区町村により異なります。お住まいの市区町村のウェブサイトで「介護保険料 段階」と検索すると正確な額が分かります。
徴収方法:特別徴収と普通徴収
- 特別徴収(原則):年金が年18万円以上の人は年金から天引き。手続き不要。
- 普通徴収:年金が年18万円未満、または65歳になりたて等の場合は、市区町村から納付書が届き、自分で納める。
③ 自営業者・無職の人はどうなる?
国民健康保険加入者の場合
40〜64歳の自営業者・フリーランス・無職の人は、国民健康保険料に介護分が上乗せされる形で徴収されます。計算式は市区町村ごとに異なり、所得割+均等割の組み合わせが一般的です。
・所得割: 前年所得 × 約2.4%
・均等割: 約18,000円 ×(加入する40〜64歳の人数)
・合計上限: 年約17万円
協会けんぽとの大きな違いは「会社負担分がなく、全額自己負担」になる点です。同じ年収でも会社員より介護保険料の負担感は重くなります。
退職後の取り扱い
会社員が退職した場合、選択肢は3つです:
- 家族の健康保険の扶養に入る:介護保険料の徴収なし(扶養の年収条件を満たす場合のみ)
- 任意継続被保険者になる:退職前の健保に最長2年継続。介護分も継続徴収(会社負担分も自己負担に)
- 国民健康保険に切替:上記の国保介護分が課税される
④ 介護保険料は控除になる?
介護保険料は社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税の計算上、全額が控除されます。会社員は年末調整で自動反映されるため、確定申告は不要です。
- 自営業者:国保介護分は確定申告書「社会保険料控除」欄に記載
- 65歳以上:年金から天引きされた介護保険料も控除対象
- 生計を一にする家族の分を本人が払った場合も控除可能(例:親の介護保険料を子が払った場合は子の所得控除に)
⑤ 介護保険料の将来予測
厚生労働省の試算では、第1号被保険者の保険料は2040年度に月額9,000円程度まで上昇する見込みです(高齢化と給付増のため)。
| 年度 | 第1号 全国平均(月額) | 対前期比 |
|---|---|---|
| 第7期(2018〜2020) | 5,869円 | ― |
| 第8期(2021〜2023) | 6,014円 | +145円 |
| 第9期(2024〜2026) | 6,225円 | +211円 |
| 2040年度(試算) | 約9,000円 | +約2,800円 |
20年後には今より月3,000円弱の負担増が見込まれます。家計の老後計画では「年金収入から徐々に増える介護保険料」を組み込んで考えるのが現実的です。
よくある誤解
誤解1:40歳の誕生月から払い始めれば終わりがある
介護保険料に「払い終わり」はありません。40歳以降は生涯にわたって徴収されます。65歳で第1号に切り替わっても保険料は続き、年金からの天引き or 普通徴収で徴収されます。
誤解2:払っていれば誰でも介護サービスを使える
40〜64歳の第2号被保険者は、「特定疾病16種」(末期がん・若年性認知症・関節リウマチ等)に該当する場合のみ介護保険を使えます。一般的な事故やケガで要介護になっても、第2号は介護保険ではなく医療保険等の対応です。65歳以上の第1号は原因を問いません。
誤解3:扶養家族なら介護保険料は徴収されない
会社員の被扶養配偶者が40歳〜64歳の場合、第2号被保険者として保険料は徴収されません(健康保険の中で「特定被保険者制度」がある一部健保を除く)。ただし65歳以降は第1号として本人に直接課税されます。
誤解4:介護保険料が高い地域は介護サービスが充実している
必ずしも比例しません。高齢化率と介護施設の数、要介護認定者の割合が市区町村の保険料を左右します。サービスの選択肢が少ない地域でも、高齢化率が高ければ保険料は高くなります。
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公的機関の最新情報
※本記事の内容は執筆時点(2026年5月)の情報に基づきます。介護保険料率や保険料段階は市区町村により異なり、また毎年度改定されます。実際の負担額は給与明細・市区町村通知書でご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、特定の制度活用を推奨するものではありません。


