※本記事は2026年8月時点の情報です。給付額は雇用保険の計算式にもとづく概算で、実際の金額は賃金や休業日数により異なります。
まず結論:3行でわかる要点
- 介護で休むと、雇用保険から賃金の67%が支給される
- 対象家族1人につき通算93日・3回まで。分けて使える
- これは自分が介護するための休みではない。体制を整えるための期間
親の介護が必要になったとき、多くの人がまず考えるのは「仕事をどうするか」です。休めるのか、休んだら収入はどうなるのか。
介護のためにまとまって休む制度があり、その間の収入を補う給付もあります。ただし、この制度の設計思想を誤解すると使い方を間違えます。そこも含めて整理します。
介護休業と介護休暇は別のもの
名前が似ていて混同されやすいのですが、まったく違う制度です。
| 介護休業 | 介護休暇 | |
|---|---|---|
| 日数 | 対象家族1人につき 通算93日・3回まで |
1年に5日 対象家族が2人以上なら10日 |
| 取り方 | まとまった期間の休業 | 1日単位または時間単位 |
| お金 | 介護休業給付金あり | 給付なし (有給かどうかは会社次第) |
| 使う場面 | 介護の体制を整えるとき | 通院の付き添いなど単発の用事 |
お金が出るのは介護休業のほうです。この記事ではこちらを中心に扱います。
いくらもらえるのか
介護休業給付金は雇用保険から支給されます。計算式は次のとおりです。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
休業開始時賃金日額 = 休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
| 月給 | 賃金日額 | 30日休んだ場合 | 93日すべて使った場合 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 6,667円 | 134,000円 | 415,400円 |
| 25万円 | 8,333円 | 167,500円 | 519,250円 |
| 30万円 | 10,000円 | 201,000円 | 623,100円 |
※賞与を除いた月給が6か月続いた場合の概算です。給付には上限額があり、毎年8月1日に改定されます。高い賃金の方は上限にかかることがあるため、実際の金額はハローワークにご確認ください。
3か月休んで40万〜60万円ほど。給与そのものではありませんが、無収入になるわけではないという点が大きいと思います。
誰が使えるのか
条件は2つあります。
① 家族が「要介護状態」であること
負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指します。要介護認定を受けていることは必須ではありません。この状態にあたるかどうかで判断されます。
② 雇用保険に一定期間入っていること
休業を開始した日の前2年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12か月以上あることが必要です。パートや契約社員でも、雇用保険に入っていて条件を満たせば対象になります。
対象になる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。同居や扶養している必要はありません。
いちばん大事なこと:93日は「自分が介護する期間」ではない
ここを誤解している人がとても多い部分です。
93日という日数を見て「3か月で介護が終わるわけがない」と感じる方がいます。そのとおりです。介護は3か月では終わりません。
この制度は、自分がつきっきりで介護するための期間として設計されていません。介護の体制を整えるための準備期間です。
実際に、この期間にやることは次のようなものです。
- 要介護認定の申請と、認定調査への立ち会い
- 地域包括支援センターへの相談
- ケアマネジャーを決め、ケアプランをつくる
- 訪問介護やデイサービスを実際に使ってみて、合うか確かめる
- 施設を検討するなら、見学と申し込み
- お金の見通しを立てる
3回まで分割できるのも、この考え方に沿っています。最初に体制をつくるために使い、状態が変わったときにまた使う、という形が想定されています。
使うときの注意点
- 申請は勤め先を通すのが原則。介護休業給付金は、通常は事業主がハローワークに手続きします
- 休業中に給与が出ると調整される。賃金の支払いがある場合、給付額が減ったり支給されなかったりします
- 社会保険料は免除されない。育児休業とは異なり、介護休業中の健康保険料・厚生年金保険料は免除されません。ここは見落としやすい点です
- 93日は対象家族ごと。父と母それぞれについて93日ずつ使えます
社会保険料が免除されない点は、手取りを見積もるうえで効いてきます。給付が67%出ても、そこから保険料を払う必要があります。
モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

介護そのものにいくらかかるのかも、あわせて見ておきたいところです。
まとめ
- 介護休業給付金は賃金の67%。雇用保険から支給される
- 対象家族1人につき通算93日・3回まで分割できる
- 月給20万円なら93日で約41万円、25万円なら約52万円
- 要介護認定は必須ではない。2週間以上の常時介護が必要な状態かどうかで判断
- 93日は自分が介護する期間ではなく、体制を整える期間
- 育児休業と違い、社会保険料は免除されない
よくある質問(FAQ)
Q. 介護休業給付金はいくらもらえますか?
A. 休業開始時賃金日額に支給日数を掛け、67%を乗じた額です。休業開始時賃金日額は、休業開始前6か月間の賃金総額を180で割って求めます。月給20万円の場合、賃金日額は約6,667円で、93日すべて使うとおよそ415,400円になります。月給25万円ならおよそ519,250円です。給付には上限額があり、毎年8月1日に改定されます。
Q. 介護休業は何日取れますか?
A. 対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。父と母のように対象家族が複数いる場合は、それぞれについて93日ずつ使えます。なお介護休暇は別の制度で、1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)を1日単位または時間単位で取得するものです。
Q. 要介護認定を受けていないと使えませんか?
A. 要介護認定は必須ではありません。負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にあるかどうかで判断されます。認定を申請中の段階でも対象になり得ます。
Q. パートでも介護休業給付金をもらえますか?
A. 雇用保険に加入していて、休業開始日前2年間に賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12か月以上あれば対象になります。雇用形態そのものではなく、雇用保険の加入状況と加入期間で判断されます。
Q. 介護休業中も社会保険料はかかりますか?
A. かかります。育児休業中は健康保険料と厚生年金保険料が免除されますが、介護休業中は免除の対象外です。給付金を受け取りながら保険料は負担することになるため、手取りを見積もるときは注意が必要です。
参考・出典
本記事は情報提供を目的とした一般的な解説です。試算は雇用保険の計算式にもとづく概算で、上限額の適用や実際の支給可否はハローワークの判断によります。手続きにあたっては勤め先または最寄りのハローワークにご確認ください。


