住民税の仕組みと計算方法|給与から天引きされる税金を正しく理解する

住民税の仕組みと計算方法|給与から天引きされる税金を正しく理解する 家計・節約
約7分で読めます

ユキ

給与明細を見てたら「住民税」って毎月けっこう引かれてるんだよね。所得税とは別に引かれてるのはわかるんだけど、どうやって決まってるのかよくわからなくて。
モリガマ

住民税は「前の年の収入」をもとに計算されるから、転職や収入変化があった年の翌年に影響が出やすいんだ。仕組みを整理してみようか。

住民税とは?所得税との違いから理解する

住民税は、都道府県と市区町村に納める地方税です。納める先は、1月1日時点に住んでいる自治体です。税額は前年の所得をもとに計算されます。

所得税と住民税の主な違いを、次の表で比べます。

所得税 住民税
税の種類 国税 地方税
税率 5〜45%(累進課税) 一律10%(+均等割)
計算のタイミング 当年の収入をもとに年末調整 前年の収入をもとに翌6月から
基礎控除額 62万〜104万円(2026年分) 43万円
ユキ

前年の収入で決まるってどういうこと?今年の給料が下がっても、去年の収入が高かったら今年も住民税は高いまま?
モリガマ

そのとおり。6月から翌年5月までの住民税は、去年の収入で決まるんだ(前年課税)。今年の収入が下がっても、すぐには減らないよ。

会社員の住民税が、どの年の所得で決まりいつ引かれるか。2025年の所得をもとに、2026年1月1日に住んでいる市区町村が課税し、2026年6月から2027年5月の12回で給与から天引き。2026年の所得は2027年6月から2028年5月。2026年に育休や退職で収入が減っても、2027年5月までは2025年の所得で決まった額が続く

住民税の計算の仕組み

住民税は大きく「所得割」(所得に応じて決まる部分)と「均等割」(所得にかかわらず定額の部分)の2種類から成ります。

所得割は「課税所得」(税金を計算するもとになる所得)に税率をかけて出します。課税所得は、給与収入から「給与所得控除」(会社員の必要経費の代わりに差し引ける額)を引いて給与所得を出し、そこからさらに所得控除を引いた金額です。

給与収入
 - 給与所得控除 → 給与所得
 - 所得控除(基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除など)
 = 課税所得

この課税所得を使って、住民税は次のように計算します。

住民税 = 所得割 + 均等割
所得割 = 課税所得 × 10%(都道府県4% + 市区町村6%)
均等割 = 4,000円(都道府県1,000円+市区町村3,000円。所得にかかわらず一律)
※このほか令和6年度から、国の「森林環境税」1,000円が住民税と一緒に徴収されます(合わせて5,000円)。均等割を上乗せしている自治体もあります

主な控除とその金額(住民税基準)

控除の種類 住民税での控除額 所得税との違い
基礎控除 43万円 所得税は62万〜104万円(2026年分)
社会保険料控除 全額 所得税と同じ
配偶者控除 33万円 所得税は38万円
扶養控除(一般) 33万円/人 所得税は38万円/人
生命保険料控除 最大7万円 所得税は最大12万円
ユキ

控除額が所得税より少ないから、住民税のほうが課税所得が大きくなるってこと?
モリガマ

そのとおり。ただ所得税は、所得が多いほど税率が上がる(5〜45%)。住民税は10%で一定だから、所得が多い人ほど所得税のほうが重くなるよ。

モリガマ

自分の住民税がどう計算されているか、シミュレーターで確かめてみてね。

モリガマのがま口がパカッと開いてツールが出てくる

住民税シミュレーターを使ってみる →

課税所得の内訳から住民税額を試算できます

ユキが試してみた

ユキ

年収400万円・社会保険料58万円・扶養なしで入れたら、住民税は年約17.8万円だって。月にすると約1.5万円か。けっこう大きいな。
モリガマ

出てきた額を、給与明細の住民税の欄と見比べてみてね。iDeCoやふるさと納税は、この住民税を減らす方向に働くよ。

住民税を減らす主な方法

方法 仕組み
iDeCo 掛金全額が所得控除→課税所得を直接圧縮。会社員は月最大2.3万円(2026年12月に月6.2万円へ拡大予定)
ふるさと納税 寄付した額のうち自己負担2,000円を超える分が、住民税から直接差し引かれる(特例控除)
住宅ローン控除 所得税から控除しきれない分が住民税から差し引かれる(上限あり)
医療費控除 確定申告で申告すると課税所得が下がり、住民税も翌年度に軽減される
ユキ

ふるさと納税の上限額ってどうやって計算するの?住民税の額によって変わるって聞いたことある。
モリガマ

上限は、住民税の所得割の額をもとに決まるんだ。ただ、所得割の20%がそのまま寄付の上限になるわけではないよ。

ふるさと納税で住民税から引ける特別な分(特例控除)は、住民税の所得割額の20%までと決まっています。寄付の上限はそこから逆算するため、年収や家族構成で変わります。まず住民税の額をつかみ、そのうえでふるさと納税の上限を確かめる、という順番がわかりやすいです。

関連ツール・記事

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。(出典:総務省「住民税制度」・国税庁タックスアンサー / 2026年9月時点)

参考情報・公的機関リンク

本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 住民税と所得税の違いは?

所得税は国の税金で当年の所得にかかり、住民税は自治体の税金で前年の所得にかかります。住民税は均等割(定額)と所得割(約10%)で構成されます。

Q. 住民税はいつ・どうやって払う?

会社員は6月から翌年5月にかけて給与から天引き(特別徴収)、自営業などは納付書で年4回などに分けて納めます(普通徴収)。前年の所得をもとに計算されます。

Q. 住民税を減らす方法は?

ふるさと納税やiDeCo、生命保険料控除などの所得控除を活用すると課税所得が下がり、住民税も軽減されます。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
プロフィールを詳しく見る / 編集方針

免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項・編集方針をご覧ください。
家計・節約
森のおかね図書館管理人をフォローする
タイトルとURLをコピーしました