※本記事は2026年9月時点の情報です。住民税の税率・均等割・非課税の基準は、お住まいの市区町村の条例により異なる場合があります。
まず結論:3行でわかる要点
- 2024年と比べて手取りが減ったのは増税されたからではない。2024年だけの定額減税が終わって元に戻っただけ(2025年とはほぼ同じ水準)
- 住民税そのものは減税方向。給与所得控除の最低保障額が55万円→65万円に上がった
- 新しく増えたのは子ども・子育て支援金。住民税ではなく健康保険料への上乗せで、率は0.23%(会社と本人で半分ずつ負担)
毎年6月は住民税の新年度が始まるタイミングです。給与から天引きされる金額が切り替わるため、「なぜ手取りが変わったのか」を理解しておくと安心です。2026年6月の住民税に影響する変更点を整理していきます。
2024年の定額減税は何だった?おさらい
まず、2024年に実施された定額減税を振り返っておきましょう。
所得税:3万円/人
住民税:1万円/人
合計4万円 x(本人+扶養家族の人数)
※対象:合計所得金額1,805万円以下
住民税への反映方法は少し特殊でした。
- 2024年6月:住民税の天引きがゼロ円に
- 2024年7月〜2025年5月:減税後の年額を11ヶ月で分割して徴収
- 2025年6月〜:通常の住民税に戻る
2026年6月の住民税、何が変わる?
2026年6月の給与明細に関係する主な変更点は、次の3つです。1と2は住民税、3は健康保険料の話です。
1. 給与所得控除の最低保障額が引き上げ(減税方向)
令和7年度税制改正により、住民税の計算で使う給与所得控除の最低保障額(少なくとも差し引ける額)が55万円から65万円に引き上げられました(給与収入190万円までは65万円)。
改正前:最低保障額 55万円
改正後:最低保障額 65万円(+10万円)
→ 変わるのは給与収入190万円未満の人。給与収入110万円以下は住民税の所得割(所得に応じてかかる部分)が非課税に
この改正で、税金の計算に使う所得が小さくなるのは、給与収入190万円未満の人です。給与収入162.5万円以下なら所得が10万円減り、住民税は年1万円ほど下がります。給与収入190万円以上の人には影響がありません。

2. 所得税の基礎控除引き上げ → 住民税への波及は限定的
所得税の基礎控除(誰でも所得から差し引ける控除)は、以前の48万円から、2025年分は最大95万円に上がりました。2026年分は最大104万円です。一方で住民税の基礎控除は43万円で据え置きです。
3. 子ども・子育て支援金が天引き開始(負担増方向)
2026年4月から「子ども・子育て支援金」が始まりました。これは住民税ではなく健康保険料に上乗せして徴収されます。こども家庭庁の資料では令和8年4月分の保険料(給与天引きは5月)からとされているので、住民税の切り替わる6月には、両方が重なって見えることになります。
「6月から手取りが減った」と感じる原因が2つ同時に来ているため、住民税のせいだと受け取られやすいところです。実際には住民税は減税方向で、増えているのは健康保険料のほうです。
支援金率:0.23%(労使折半 → 本人負担0.115%)
年収400万円:月約385円
年収600万円:月約575円
年収800万円:月約767円
月数百円程度ですが、定額減税がなくなった分に加えてこの支援金が乗ってくるため、「手取りが減った」という体感につながります。
年収別、2024年と比べて手取りはどれくらい変わった?
定額減税があった2024年と、完全に通常に戻った2026年。手取りへの影響を年収別にまとめます(独身・扶養なしの場合)。「定額減税の恩恵」は2024年だけ手取りが増えていた分で、2026年はこれがなくなります。そこに子育て支援金の負担を足したものが「差し引き」です。
| 年収 | 定額減税の恩恵(2024年) | 子育て支援金(年額) | 差し引き年間影響 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | +4万円 | -約3,500円 | 年 -4.3万円 |
| 500万円 | +4万円 | -約5,800円 | 年 -4.6万円 |
| 700万円 | +4万円 | -約8,100円 | 年 -4.8万円 |
| 1,000万円 | +4万円 | -約11,500円 | 年 -5.2万円 |
※子育て支援金は、年収×本人負担0.115%で計算した目安です。扶養家族がいる場合は定額減税の恩恵がその分大きかったため、差額はさらに拡大します。
6月の住民税決定通知書、ここをチェック
会社員であれば、6月の給与明細と一緒に「住民税特別徴収税額の決定通知書」が届きます。以下のポイントを確認しておきましょう。所得控除(税金を計算する前に所得から差し引く額)と、税額控除(計算した税金から直接差し引く額)は、別の欄に載っています。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 給与収入の額 | 源泉徴収票の金額と一致しているか |
| 所得控除の合計 | 医療費控除・iDeCoの掛金などが反映されているか |
| 税額控除の欄 | ふるさと納税の控除額が正しいか |
| 月割額 | 6月分が他の月と異なることがある(端数調整) |
手取り減に対応するためにできること
1. ふるさと納税の限度額を再確認
住民税額が変わると、ふるさと納税の控除上限額も変わります。2026年の年収が確定してきたら、改めて限度額をシミュレーションしておきましょう。
2. iDeCoで所得控除を活用する
iDeCo(自分で積み立てる年金。正式名は個人型確定拠出年金)の掛金は全額所得控除になり、住民税も下がります。月1〜2万円の掛金なら、住民税は年1.2万〜2.4万円ほど下がります(所得税の分は別)。
3. 医療費控除を忘れずに
年間の医療費が10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えた場合は確定申告で医療費控除を受けられます。翌年度の住民税が下がるため、レシートをためておく習慣が大切です。
まとめ
- 2024年の定額減税(4万円/人)は一時的措置で完全に終了。2026年は減税なし
- 2026年度の住民税は基本的に2025年度と同水準。給与所得控除の引き上げで、給与収入190万円未満の人は減税
- 住民税の基礎控除は据え置き(43万円)。所得税と異なり引き上げなし
- 子ども・子育て支援金(月数百円)が健康保険料に新たに上乗せ
- 2024年と比べると、手取りは年4〜5万円ほど減る。ふるさと納税・iDeCo・医療費控除など、自分に当てはまる制度がないか確かめたい

※本記事の情報は2026年9月時点の制度に基づいています。定額減税は令和6年度限りの措置(令和6年度税制改正法)。給与所得控除の引き上げは令和7年度税制改正に基づきます。子ども・子育て支援金の料率は2026年度のものです。
・6月に届く住民税通知書、ここを見れば全部わかる|欄ごとに7つのチェックポイント
・【2026年】178万円の壁とは?所得税が変わる仕組み
・【2026年】基礎控除の仕組み完全解説
参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会) — iDeCoの制度・拠出限度額・税制優遇
- 国税庁「タックスアンサー」 — 所得税・住民税・各種控除の解説
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」 — ふるさと納税の制度概要・控除上限の目安
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」 — 確定申告書の作成・税額の試算
- 厚生労働省「年金・日本年金機構」 — 国民年金・厚生年金の制度と給付額
- 厚生労働省「医療保険」 — 健康保険・高額療養費・後期高齢者医療など
- 全国健康保険協会(協会けんぽ) — 健康保険料率・任意継続・給付など
- 厚生労働省「育児・介護休業」 — 育児休業給付金・産休・育休の制度
よくある質問
Q. 2026年6月の住民税はどう変わった?
2024年に実施された定額減税が終わり、その分の負担が元に戻ります。減税で軽くなっていた住民税が通常水準に戻るため、手取りが減ったと感じる人がいます。
Q. 定額減税とは何だった?
物価高対策として2024年に実施された、所得税・住民税を一定額差し引く一時的な減税です。2026年にはこの減税がなくなります。
Q. 住民税決定通知書はどこを見ればいい?
所得・控除・税額の各欄を確認します。特にふるさと納税の寄附金税額控除が正しく反映されているかをチェックすると安心です。


