新NISAで積み立てたお金、いつ売る?非課税メリットを最大化する取り崩し方

新NISAで積み立てたお金、いつ売る?非課税メリットを最大化する取り崩し方 NISA・投資
約12分で読めます
ユキ
NISAで利益が出てきたんだけど…いつ売ればいいの?ずっと持ってていいの?
モリガマ
「積み立て方」の情報は多いけど、「取り崩し方」は意外と語られないんだ。一緒に整理しよう。

新NISAで順調に資産が増えてきたとき、頭をよぎるのが「いつ売るか」という問題。この記事では、取り崩し(運用中の資産を売って、お金として使うこと)を、タイミング・方法・順序の3つに分けて整理します。

新NISAは「売らない」が基本だが…

新NISAの最大の特徴は、非課税期間が無期限であること。旧NISAのように「5年」「20年」で期限切れになる心配がありません。

つまり、売らずに保有し続ける限り、運用益にかかる約20%の税金がゼロのまま。長く持つほど、この差は大きくなります。

ユキ
じゃあ、売る時期は何を基準に考えればいいの?
モリガマ
お金を使う時期と目的から考えよう。いつ、どう売って使うか(出口戦略)を先に決めておくんだ。

新NISAの売却ルールを整理

まずは基本のルールを表で確認しましょう。表の「枠の復活」は、売った分だけ生涯の非課税保有限度額(1,800万円)に空きができ、翌年からまた使えるようになることです。空く額は売った値段ではなく、買ったときの値段(取得価額)で数えます。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資上限 120万円 240万円
生涯投資枠 合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
売却後の枠復活 翌年に復活(取得価額ベース)
非課税期間 無期限
ユキ
売っても枠が復活するんだ!じゃあ気軽に売っていい?
モリガマ
戻るのは翌年で、しかも買ったときの値段の分だけ。値上がりした分は枠に戻らないよ。

たとえば100万円で買った投資信託が150万円に値上がりして売却した場合、翌年に再び使える枠は、買ったときの100万円分です。利益の50万円分は、再び使える枠の計算には入りません(利益そのものは非課税で受け取れます)。

復活した枠は、その年の年間投資枠には上乗せされない

もうひとつ、間違えやすいところがあります。復活するのは生涯の非課税保有限度額(1,800万円)のほうだという点です。金融庁の資料には、はっきりこう書かれています。

再利用できる非課税保有限度額が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではない。 金融庁「NISAを利用する皆さまへ」より

つまりその年に買える上限(つみたて120万円・成長240万円)は、売っても増えません。

「今年の枠を使い切ったけれど、売れば買い直せる」と考えていると、そこでつまずきます。売って空いた分を使えるのは翌年以降で、しかも翌年の年間投資枠の範囲内です。

100万円で買って150万円で売った場合の非課税の枠。生涯の枠1,800万円を使い切っていたとき、売った年は空いた100万円をまだ使えず、翌年に買った値段の100万円が戻る。1年に買える上限は売っても増えない

取り崩しが必要になる3つのタイミング

「いつ売るか」を考えるには、まずお金が必要になるシーンを整理しておくのが先です。

1. ライフイベント(住宅購入・教育費)

住宅の頭金や子どもの大学進学など、まとまった金額が必要になる場面。数年以内に使う予定のお金は、そもそもNISAではなく預貯金で準備するのが基本ですが、NISAの資産を一部取り崩して充てるケースもあります。

2. 老後の生活費

多くの人にとって、いちばん大きな取り崩しの場面です。退職後、年金だけでは足りない部分をNISAの資産から補います。

3. リバランス

資産配分が大きく崩れたとき、値上がりした資産を一部売却して元のバランスに戻す作業です。厳密には「取り崩し」とは異なりますが、売却が発生する点では同じです。

ユキ
全部「いつか必ず来る」ものだね…。考えてなかった。
モリガマ
そう。だから、積み立てと同じくらい取り崩しの考え方も知っておきたいんだ。

定率取り崩し vs 定額取り崩し

老後の取り崩しを考えるとき、大きく分けて2つの方法があります。

比較項目 定額取り崩し 定率取り崩し
方法 毎月10万円など金額を固定 残高の4%/年など割合を固定
メリット 毎月の収入が一定で家計管理しやすい 資産寿命が延びやすい
デメリット 下落時に口数を多く売ってしまう 受取額が毎回変動する
資産の減り方 直線的に減少(枯渇リスク高め) 緩やかに減少(枯渇しにくい)
向いている人 安定した生活費が欲しい人 資産を長持ちさせたい人

4%ルールのシミュレーション

前の表の定率取り崩しは、その時点の残高をもとに毎年の額を決めます。ここで扱う4%ルールは、最初の年の資産額をもとに取り崩す額を決める方法で、考え方が違います。

「4%ルール」は、米国トリニティ大学の研究に基づく取り崩し方法です。最初の年に資産の4%を取り崩し、2年目以降はその額を物価に合わせて調整します。この方法なら30年経っても資産が枯渇しにくいとされています。

項目 数値
開始時の資産額 2,000万円
年間取り崩し額(4%) 80万円(月あたり約6.7万円)
想定運用利回り 年5%(株式中心のインデックス投資信託を想定。インデックスは市場全体の値動きを表す指数)
30年後の残高目安 枯渇せず残高が残る可能性が高い
ユキ
月6.7万円か…年金にプラスできると考えたら、けっこう心強い!
モリガマ
NISAなら、売ったときの利益に税金がかからないよ。特定口座(利益に税金がかかる口座)だと約20%引かれるんだ。

ただし、4%ルールは米国市場のデータに基づいたものです。日本の投資環境や為替の変動を考えて、3.5%程度に抑えるという考え方もあります。

売却順序の考え方

NISA口座と特定口座(課税口座)の両方で投資している場合、どちらを先に売るかで手取り額が大きく変わります。

よく言われる考え方:特定口座を先に取り崩す

どちらの口座でも利益が出ている場合は、特定口座から先に売ると、NISAで非課税のまま運用できる期間が長くなります。ただし、特定口座の資産に損が出ている場合などは、この限りではありません。

売却する口座 税金 考え方
特定口座(課税) 利益の約20% 先に売る → 課税される期間を短く
NISA口座(非課税) 0円 後に売る → 非課税運用を長く享受
ユキ
NISAの非課税をできるだけ引っ張るってことか。
モリガマ
そう。NISAの資産を後に残しておく考え方だね。

NISA内での売却順序

NISA口座の中で複数の銘柄を持っている場合は、以下の考え方があります。

  • 含み益が小さい銘柄から売る → 枠の復活効率が良い(取得価額ベースで復活するため)
  • 値動きが大きい銘柄から売る → リスク調整として有効
  • 目的に合わなくなった銘柄から売る → ポートフォリオ(持っている資産の組み合わせ)の整理

やってはいけない売り方

取り崩しのルールを知っていても、値動きを見て気持ちが揺れると、決めていたことと違う売り方をしてしまいがちです。よくある例を確認しておきましょう。

NG1:暴落時のパニック売り

株価が20〜30%下がると、不安で全額売りたくなるもの。しかし暴落は歴史的に何度も起きており、これまでは時間をかけて回復してきました(将来も同じとは限りません)。下がったときにあわてて全部売ると、その後に値が戻っても取り戻せません。

ユキ
暴落したら絶対焦る自信ある…。
モリガマ
だからこそ、事前にルールを決めておくのが大事。「下がっても売らない」と決めておくだけで、行動はずいぶん変わるよ。

NG2:利益が出たからすぐ売る

「20%増えたから利確(売って利益を確定すること)しよう」という考えは、短期売買の発想です。NISAの非課税の効果は、長く持つほど大きくなります。

ユキ
長く持つほど大きくなるのは、どうして?
モリガマ
複利といって、得た利益も運用に回すと、その利益からも利益が生まれるからだよ。

使う予定がまだ先なら、利益が出ていても売らずに持ち続けるのが、複利の仕組みを使う考え方です。

NG3:生活防衛資金まで投資に回す

手元の生活費が足りず、毎月NISAを取り崩して生活している状態は危険信号。生活防衛資金(急な出費や収入減に備えるお金。生活費の6か月〜1年分が目安とされることが多い)は預貯金で持ち、それとは別のお金で投資する、という順番が一般的です。

まとめ

モリガマ
最後に、今日のポイントを整理しておくね。
  • 新NISAは非課税期間が無期限 → 使う時期が来るまで持ち続けられる
  • 売却すると翌年に枠が復活するが、戻るのは買ったときの値段の分だけ
  • 取り崩しが必要な場面はライフイベント・老後・リバランスの3パターン
  • 定率取り崩しや4%ルールは、資産を長持ちさせやすい方法
  • どちらの口座でも利益が出ているなら「特定口座 → NISA」の順に売ると、非課税で運用する期間が長くなる
  • 値下がりしたときのあわてた売却や、利益が出てすぐの売却は、決めていた計画とずれやすい
ユキ
出口を考えると、積み立ての意味がもっとクリアになった気がする!

積み立てたお金が将来いくらになるか、シミュレーターで確認してみましょう。

ユキ
積み立てたお金がどれくらい増えるか、実際にシミュレーションしてみたいな。
モリガマ
積立額と期間を入れるだけで将来の資産を試算できるツールがあるよ。使ってみてね。
モリガマの頭のがま口が開き、神々しい光と共にツールが飛び出した

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。掲載情報は2026年5月時点のものです。最新の制度内容は金融庁・各証券会社の公式情報をご確認ください。

参考情報・公的機関リンク

本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。

参考・出典

よくある質問

Q. 新NISAのお金はいつ売ればいい?

基本は「使うときまで売らない」長期保有です。教育費や老後資金など、実際に使う時期が来たら、必要な分だけ取り崩す考え方があります。

Q. 新NISAの売却枠は復活する?

売却すると、買ったときの値段の分だけ、非課税枠が翌年に復活します。一度売っても再び非課税で投資できるため、ライフイベントに合わせて柔軟に使えます。

Q. 取り崩しは定額と定率どちらがいい?

定額は計画が立てやすく、定率は資産寿命を延ばしやすい特徴があります。市場変動への耐性を高めるため、両者を組み合わせる方法もあります。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
プロフィールを詳しく見る / 編集方針

免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項・編集方針をご覧ください。
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