年末調整の書き方完全ガイド|会社員が記入する3つの書類と還付金の仕組み

お金の基礎
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※本記事の数値・料率・制度内容は2026年5月時点の情報に基づきます。税制改正や料率改定により変動する可能性があるため、最新の数字は記事末尾の公的機関リンクからご確認ください。

ユキ

毎年11月くらいになると会社から「年末調整の書類書いて」って言われるんだけど、よくわからないまま見よう見まねで書いてる。本当はちゃんと意味を理解したいんだ。
モリガマ

年末調整は「払いすぎた税金を取り戻す手続き」なんだ。書類を正しく書けば、12月の給与で数千円〜数万円が還付されることが多いよ。それぞれの書類の意味と書き方を整理してみよう。

年末調整は会社員の人なら毎年経験するイベントですが、書類が複雑で「なぜこれを書くのか」がわかりにくい手続きです。この記事では、年末調整の基本的な仕組みから、各書類(扶養控除等申告書・保険料控除申告書・基礎控除申告書)の書き方、よくある記入ミスまでを順に整理します。

そもそも年末調整って何のためにある?

給与から毎月引かれている所得税は、「年収がこれくらいになる見込み」という仮の計算で源泉徴収されています。実際の年収・控除額は12月末にならないと確定しないため、確定した時点で「正しい税額」との差額を精算する手続きが年末調整です。

月々の源泉徴収 年末調整での精算
「源泉徴収税額表」に基づく概算 実際の年収・控除をもとに正しい税額を計算
配偶者控除・扶養控除は概算 最新の家族構成・収入で再計算
保険料・住宅ローン控除は反映されない これらを差し引いて再計算

多くの人は、控除を申告することで源泉徴収より税額が小さくなり、差額が12月の給与で還付されます。逆に賞与や副業で予想より所得が増えた場合は、追加徴収になることもあります。

年末調整で記入する3つの主要書類

2026年現在、会社員が提出する書類は主に以下の3つです。

書類名(略称) 主な役割
扶養控除等(異動)申告書(マル扶) 配偶者・子・親など扶養家族の情報を申告
保険料控除申告書(マル保) 生命保険・地震保険・小規模企業共済等の控除を申告
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書(マル基・配・所) 本人の所得・配偶者の所得・所得金額調整控除を申告

住宅ローン控除を受ける場合は、これらに加えて「住宅借入金等特別控除申告書」を提出します(1年目は確定申告が必要、2年目以降は年末調整で完結)。

書類1:扶養控除等(異動)申告書の書き方

ユキ

僕の場合、独身で扶養家族もいないんだけど、これって書く必要あるの?

はい、扶養家族がいなくても提出は必要です。この書類は「翌年の源泉徴収税額」を決めるため、毎年必ず会社に提出します。

記入する主な項目

項目 記入内容・注意点
本人情報 氏名・住所・マイナンバー・生年月日(マイナンバーは2回目以降省略可)
源泉控除対象配偶者 本人の年収900万円以下&配偶者の年収160万円以下の場合に記入
控除対象扶養親族 16歳以上の扶養家族(子・親など)。年齢区分で控除額が変わる
障害者・寡婦・ひとり親 該当する場合チェック。所定の控除が追加される
16歳未満の扶養親族 所得税の控除対象外だが、住民税の非課税判定に影響するため記入

扶養親族の年齢区分と控除額(所得税)

区分 年齢 控除額
一般の控除対象扶養親族 16歳〜18歳・23歳〜69歳 38万円
特定扶養親族 19歳〜22歳(大学生世代) 63万円
老人扶養親族(同居) 70歳以上(同居の親など) 58万円
老人扶養親族(同居以外) 70歳以上(別居の親など) 48万円

大学生の子どもを扶養している場合、63万円控除と通常より大きく控除されます。所得税率20%の人なら12.6万円の節税に。

書類2:保険料控除申告書の書き方

保険料控除申告書は、生命保険料・地震保険料・社会保険料(給与天引き分以外)・小規模企業共済等掛金を申告する書類です。保険会社から届く「控除証明書」を見ながら記入します。

生命保険料控除の3つの枠

2012年以降の契約(新制度)

  • 一般生命保険料(死亡保険など):年間8万円超で最大40,000円控除
  • 介護医療保険料:年間8万円超で最大40,000円控除
  • 個人年金保険料:年間8万円超で最大40,000円控除

3枠合計の上限:所得税で12万円、住民税で7万円

※2026年分(所得税)限定で、23歳未満の扶養親族がいる世帯は一般生命保険料枠が6万円に拡大(合計上限14万円)。使い切り戦略はこちら

地震保険料控除

地震保険は火災保険と別管理です。地震保険料は全額が控除対象(所得税で最大50,000円、住民税で最大25,000円)。火災保険のみの契約には控除がありません。

記入時の注意

  • 控除証明書の数字をそのまま転記する(自分で計算しない)
  • 古い保険(2011年以前契約)は「旧制度」の欄に記入。新旧で計算式が違う
  • 学資保険は「一般生命保険料」の枠に入る
  • iDeCoは「小規模企業共済等掛金」の枠(独立した控除枠で、全額所得控除)

書類3:基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除申告書

この書類は名前が長いですが、3つの控除を1枚にまとめたものです。

基礎控除申告書

2020年から基礎控除に所得制限が設けられました。年収2,400万円以下なら48万円控除(旧38万円から増額)、それ以上の高所得者は段階的に減額されます。

記入する金額は「給与所得控除後の所得金額」。給与額面ではなく、源泉徴収票に書かれている所得額です。

給与所得(控除後) 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超〜2,450万円以下 32万円
2,450万円超〜2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円(控除なし)

※2026年に予定されている基礎控除上乗せ特例(所得税のみ)が適用される場合は、所得に応じて控除額がさらに上乗せされる予定です。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者の所得と本人の所得によって、控除額が3段階に分かれます。かつて「年収103万円・150万円の壁」と呼ばれていましたが、2025年・2026年の連続改正で引き上げられ、2026年は配偶者控除が年収136万円以下、配偶者特別控除の満額が160万円以下になりました(くわしくは配偶者控除の完全ガイド)。

配偶者の年収(給与のみ) 本人所得900万円以下の控除額
136万円以下 38万円(配偶者控除)
136万円超〜160万円以下 38万円(配偶者特別控除)
160万円超〜201万円以下 段階的に減額(38→3万円)
201万円超 控除なし

還付金はどう計算される?

モリガマ

年末調整での還付金は「源泉徴収された税額 − 正しい税額」だよ。書類で控除を増やすほど還付金も増える仕組みなんだ。

還付金の目安

想定ケース 年末調整での還付目安
独身・控除なし 数百円〜数千円
配偶者あり(103万以下) 2〜4万円
生命保険3枠フル活用+配偶者あり 4〜6万円
iDeCo(月2.3万円)+生命保険+配偶者あり 8〜12万円

還付金は通常12月の給与と一緒に振り込まれます(一部の会社は翌年1月)。明細に「年末調整還付額」として記載されているはずです。

よくあるミス・注意点

ミス1:保険料控除証明書をなくす

10月〜11月に各保険会社から郵送される「控除証明書」を紛失すると、控除が受けられません。電子化対応の保険会社ならマイページから再発行・電子データダウンロード可。紙でも再発行依頼すれば1〜2週間で届きます。

ミス2:iDeCoの掛金証明書を保険欄に書いてしまう

iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」という独立した枠です。生命保険料の枠と混同しないこと。証明書には「小規模企業共済等掛金払込証明書」と記載されています。

ミス3:配偶者の収入を見込みで書く

配偶者控除は年末時点の確定見込みで判断します。パートで働く配偶者が「12月までに103万円を超えそう」なら控除対象外です。あとから修正申告が必要になるとペナルティの可能性もあるため、慎重に。

ミス4:医療費控除を年末調整で申告しようとする

医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税を含む)は年末調整では処理できません。確定申告で別途申告します。ただし、ふるさと納税はワンストップ特例制度を使えば確定申告不要(5自治体以内・申請期限1月10日)。

ユキ

じゃあ年末調整は「会社で処理できる控除だけ」って認識でいいんだね。医療費控除とふるさと納税は別に確定申告かワンストップ特例で対応する、と。

年末調整できない控除の確定申告

以下の控除は年末調整では処理できないため、確定申告で対応します。会社員でも該当する場合は2〜3月に申告が必要です。

  • 医療費控除(年10万円超 または 所得5%超)
  • 寄附金控除(ふるさと納税6自治体以上、認定NPO等)
  • 住宅ローン控除の1年目(2年目以降は年末調整で可)
  • 雑損控除(災害・盗難など)
  • セルフメディケーション税制(特定の市販薬を年1.2万円超購入)
  • 株式・投資信託の譲渡損益通算(特定口座源泉あり以外)

整理すると、こういうことだった

  • 年末調整は「源泉徴収で多めに引かれた所得税を取り戻す手続き」
  • 提出書類は主に3種類(扶養控除等申告書/保険料控除申告書/基礎控除等申告書)
  • 大学生世代の子(19〜22歳)は特定扶養親族=控除63万円と大きい
  • 生命保険・地震保険・iDeCoは控除証明書を集めて記入
  • 配偶者控除は配偶者の年収103万円・150万円・201万円が判断ライン
  • 還付金は12月給与で振込(典型例で年5万円前後)
  • 医療費控除・ふるさと納税6自治体以上は年末調整不可、確定申告で対応

参考情報・公的機関リンク

本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 年末調整とは何のため?

毎月の給与から概算で天引きされた所得税を、1年の正確な税額に精算する手続きです。各種控除を申告することで、払い過ぎた税金が還付されます。

Q. 年末調整で記入する書類は?

主に「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」「基礎控除・配偶者控除等申告書」の3つです。生命保険料控除や配偶者控除などをここで申告します。

Q. 年末調整で控除し忘れたら?

確定申告で後から控除できます。医療費控除やふるさと納税(ワンストップ未利用)など、年末調整で対応できない控除も確定申告で申告します。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
プロフィールを詳しく見る編集方針

免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項編集方針をご覧ください。
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