2026年の電気代・ガス代はなぜ高い?
まず「なぜ今の電気代が高いのか」を押さえておこう。原因を知ると、どこを見直せばいいかが見えてくる。
再エネ賦課金の上昇
再エネ賦課金(再生可能エネルギーを広げるために、電気を使う人みんなが負担するお金。正式名は再生可能エネルギー発電促進賦課金)は毎年見直される。2026年度は前年度から単価が引き上げられ、使用量が多い家庭ほど負担が増えている。電気料金の明細に「再エネ発電賦課金」として記載されるので、一度確認してみるといい。
燃料費調整の仕組み
電気料金には「燃料費調整額」が含まれている。これは天然ガスや石炭の輸入価格に連動して毎月変動する。円安や資源高が続くと、この項目がじわじわ上がる。
政府の補助は期間限定
電気・ガス代への国の補助は、期間を区切って行われている。2023〜2024年の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」のあとも、時期を限った値引きが実施されてきた。2026年は7〜9月使用分が対象だった(資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」)。値引きは申請不要で、電力会社・ガス会社が料金から差し引く。補助のない月は、その分だけ料金が上がって見える。
| 値引き額(一般家庭) | 7・9月使用分 | 8月使用分 |
|---|---|---|
| 電気(1kWhあたり) | 3.5円 | 4.5円 |
| 都市ガス(1㎥あたり) | 14円 | 18円 |
全国平均の電気代推移
| 年 | 2人以上世帯の電気代(月平均) | 備考 |
|---|---|---|
| 2022年 | 約12,700円 | 燃料価格の高騰 |
| 2023年 | 約12,300円 | 国の補助あり |
| 2024年 | 約12,000円 | 前年よりやや低い |
| 2025年 | 約13,200円 | 前年より月約1,200円高い |
| 2026年1〜7月 | 約12,600円 | 前年の同じ時期(約13,800円)より低い |
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯」長期時系列表。年は1年間の電気代を12で割った額、2026年は1〜7月の平均。冬に高く夏前に低くなるため、同じ月どうしで比べています(2026年9月確認)。
年3万円安くする5つの具体策
料金の上げ下げに左右されにくい見直しとして、ここからは電気代・ガス代を減らす具体策を5つ紹介する。どれもやるかやらないかだけの話で、特別な知識は必要ない。
①電力会社の切り替え(年1〜2万円の削減)
2016年の電力小売自由化以降、電力会社は自由に選べるようになった。にもかかわらず、切り替えたことがない家庭はまだ多い。
ポイント:
- 地域の大手電力(東京電力・関西電力など)の従量電灯プラン(使った電気の量に応じて払う、昔からある料金プラン)は、割高なケースが多い
- 新電力(電力の自由化のあとに参入した電力会社)やガス会社のセットプランに変えるだけで、月1,000〜1,500円安くなることがある
- 切り替えは各社のWebサイトから申し込むだけ。工事不要・立ち合い不要
- 比較サイト(エネチェンジなど)で、今の料金と比べられる
②古い家電の買い替え(年1万円以上の差)
特に影響が大きいのが冷蔵庫。10年前の冷蔵庫と最新モデルでは、年間の電気代に約1万円の差が出ることがある。
| 家電 | 買い替え目安 | 年間の節約額目安 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 10年以上 | 約8,000〜12,000円 |
| エアコン | 10年以上 | 約5,000〜8,000円 |
| 照明(蛍光灯→LED) | 未交換なら今すぐ | 約2,000〜4,000円 |
購入費用はかかるが、5年以上使えば元が取れる計算になる。特に冷蔵庫は24時間365日動いているので、省エネ性能の差がダイレクトに電気代に出る。
③契約アンペア数の見直し(年約7,500円の削減)
契約アンペア数(家の中で同時に使える電気の量の上限)が大きいほど、基本料金が高くなる。実はそこまで大きなアンペア数が必要ない家庭も多い。
| 契約アンペア | 基本料金(月額・東京電力の従量電灯B) |
|---|---|
| 60A | 約1,871円 |
| 50A | 約1,559円 |
| 40A | 約1,247円 |
| 30A | 約935円 |
60Aから40Aに下げると、月約624円、年間で約7,500円の削減になる(関西電力などアンペアの契約がない地域もある)。1〜2人暮らしで同時にたくさんの家電を使わないなら、40Aや30Aで十分なことが多い。
④省エネ家電の使い方(年3,000〜5,000円の削減)
エアコン:つけっぱなし vs こまめ消し
結論から言うと、30分〜1時間程度の外出なら「つけっぱなし」のほうが電気代は安くなる。エアコンは起動時に最も電力を使うため、頻繁にON/OFFを繰り返すとかえって電力消費が増える。
- 冷房の設定温度:28度が推奨。1度下げるごとに消費電力が約13%増える
- 暖房の設定温度:20度が推奨。1度上げるごとに消費電力が約10%増える
- フィルター掃除:2週間に1回が目安。汚れたまま使うと消費電力が最大25%増加
その他の省エネポイント:
- 洗濯はまとめ洗いで回数を減らす
- 温水洗浄便座のフタを閉める(年間約1,000円の節約)
- テレビの明るさセンサーをONにする
⑤ガス会社の切り替え・ガスの節約法(年3,000〜5,000円の削減)
2017年からガスの小売も自由化されている。電力会社とのセット割引を使えば、ガス代も下がる。
- 電力・ガスのセット契約で月200〜500円引き
- お風呂は、なるべく間を空けずに入り、追い焚きの回数を減らす(追い焚き1回で約6円)
- シャワーの時間を1分短くするだけで年間約2,000円の節約
- 食器洗いの温度を高温にしすぎない(38〜40度で十分)
優先順位の考え方
おすすめの優先順位はこの通り。
| 優先度 | 対策 | 手間 | 削減効果(年間) |
|---|---|---|---|
| 1 | 電力会社の切り替え | 低い(Web申込のみ) | 10,000〜20,000円 |
| 2 | 契約アンペアの見直し | 低い(電話1本) | 約7,500円 |
| 3 | ガス会社の切り替え | 低い(Web申込のみ) | 3,000〜5,000円 |
| 4 | 省エネな使い方の実践 | 習慣化が必要 | 3,000〜5,000円 |
| 5 | 古い家電の買い替え | 初期費用あり | 8,000〜12,000円 |
手間が少なく効果が大きい「電力会社の切り替え」と「アンペア見直し」を先にやるのがおすすめ。家電の買い替えは効果は大きいが初期費用がかかるので、壊れたタイミングや買い替え時期に合わせて省エネモデルを選ぶ形でOK。
自分の固定費を診断してみよう
電気代・ガス代・通信費・保険料などをまとめて入力すると、どこにムダがあるか一目でわかる。
まとめ
ここ数年の電気代・ガス代は、燃料価格や再エネ賦課金の影響で高い水準が続いている。国の補助は時期を限ったものなので、補助のない月の料金を基準に考えておきたい。しかし以下の5つの対策を組み合わせれば、年間3万円前後の削減は現実的な数字だ。
- 電力会社の切り替え(年1〜2万円)
- 古い家電の買い替え(年8,000〜12,000円)
- 契約アンペアの見直し(年約7,500円)
- 省エネな使い方(年3,000〜5,000円)
- ガス会社の切り替え・節約(年3,000〜5,000円)
まずは手間の少ない電力会社の切り替えとアンペア見直しから始めてみよう。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです(国の補助の記述は2026年9月に更新)。電気料金・ガス料金は地域・契約プラン・使用量により異なります。具体的な料金は各電力会社・ガス会社の公式サイトでご確認ください。節約額はあくまで目安であり、効果を保証するものではありません。
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参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。
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金融庁
— 金融制度・金融商品・保険など -
国税庁「タックスアンサー」
— 所得税・住民税・各種控除の解説
よくある質問
Q. 電気代・ガス代を安くするには?
電力・ガス会社の見直し(乗り換え)、契約プラン・アンペアの最適化、使用時間の工夫、省エネ家電への買い替えなどが効果的です。固定費なので効果が毎月続きます。
Q. 電気代の節約で一番効果が大きいのは?
料金プランや電力会社の見直しは、生活を変えずに削減できるため効果的です。エアコンや給湯など消費の大きい機器の使い方も影響が大きいです。
Q. なぜ近年の電気・ガス代は高い?
燃料価格の上昇や再エネ賦課金などが要因です。補助金の有無でも変動するため、料金明細を定期的に確認することが大切です。


