共働き夫婦の住宅ローン|ペアローン・連帯債務・単独、控除は何人分使える?

2本の柱と縄で支えられた森の家を見上げるユキとモリガマ 住宅・保険
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※本記事は2026年8月時点の情報です。試算は令和8年分の税制にもとづく概算で、実際の金額は所得控除の状況により異なります。取扱いは金融機関ごとに違うため、詳細はご契約先にご確認ください。

まず結論:3行でわかる要点

  • 夫婦の借り方はペアローン・連帯債務・連帯保証・単独の4つ。控除と団信の扱いが違う
  • 共働きなら控除を2人分使えることがあり、年収500万円どうしの例で13年間に約118万円の差
  • その代わり離婚・片方の死亡・収入減のときに困る形でもある。金額だけで決めない

共働きで家を買うとき、必ず出てくるのが「2人で借りますか」という話です。借入額を増やせて、住宅ローン控除も2人分使える。すすめられる理由はよくわかります。

ただしこれは、2人ぶんの借金を35年間かかえるという選択でもあります。得する部分と、引き受けることになるものを、両方そのまま並べます。

ユキ

住宅会社の人に「ペアローンなら控除が2人分使えますよ」って言われたんだ。それなら2人で借りたほうがいいのかな?
モリガマ

控除が2人分使えるのは本当だよ。金額もそれなりに大きい。ただ、借りられる額と、返せる額は違うんだ。両方見てから決めよう。

夫婦の借り方は4つある

「2人で借りる」と言っても中身は同じではありません。契約が何本になるか、誰が債務者かで、控除も団信も変わります。

借り方 契約 住宅ローン控除 団信
ペアローン 2本
(各自が債務者、互いに連帯保証人)
2人とも 2人とも
各自の分だけ
連帯債務 1本
(主債務者+連帯債務者)
2人とも
持分に応じて
金融機関による
主債務者のみのことが多い
連帯保証
(収入合算)
1本
(債務者+連帯保証人)
債務者のみ 債務者のみ
保証人は加入できない
単独 1本 本人のみ 本人のみ

「収入合算」という言葉は、連帯債務と連帯保証のどちらも指して使われます。すすめられたときは、どちらの形なのかを必ず確認してください。控除が2人分使えるかどうかが変わります。

控除を2人分使うと、いくら違うのか

ここが最大のメリットです。ただし「借入額が2倍だから控除も2倍」という単純な話ではありません。

住宅ローン控除は、その人が実際に払っている所得税・住民税の範囲でしか戻ってきません。枠が余っても、そのぶんは消えます。

試算の前提
夫婦とも年収500万円(40歳未満・扶養なし)/借入4,000万円
令和8年入居・長期優良住宅・子育て世帯(借入限度額5,000万円)
  単独
(1人で4,000万円)
ペアローン
(2,000万円ずつ)
控除の枠(年) 28.0万円 14.0万円 × 2人
払っている税金
(1人あたり)
所得税 約9.1万円
住民税から 最大9.75万円
同じ
実際に戻る額(年) 約18.9万円
枠が9.1万円余る
28.0万円
枠を使い切れる
13年間の合計 約246万円 約364万円

差は13年間で約118万円。小さくない金額です。

ただし、この差が生まれるのは2人ともフルタイムで働き続けた場合です。片方の収入が減れば、その人の払う税金も減り、控除も使い切れなくなります。

ユキ

118万円は大きいなあ…。でも「働き続けた場合」って、ちょっと引っかかる言い方だね。

引き受けることになるもの

ペアローンは、契約が2本になることで起きる問題があります。すすめられるときにはあまり語られない部分です。

片方が亡くなっても、もう1本は残る

団信はそれぞれのローンに付きます。夫が亡くなれば夫のローンだけが完済され、妻のローンはそのまま残ります。

単独で4,000万円借りていれば全額が消えます。ペアローンで2,000万円ずつなら、残るのは2,000万円。収入は1人分になったのに、返済は続くという状態です。

離婚したときにほどけない

これがいちばん重い論点です。

離婚しても、金融機関との契約は自動的には変わりません。2人とも債務者のまま、しかも互いの連帯保証人のままです。相手が払わなければ、自分に請求が来ます。

名義を片方に寄せるには借り換えが必要ですが、2人分の借入を1人の収入で通すのは簡単ではありません。家を売って清算しようにも、売却額が残債に届かなければ差額を現金で用意することになります。

産休・育休の期間は控除が細る

収入が下がると払う税金も下がるため、その年の控除は使い切れなくなります。返済額のほうは変わりません。

先ほどの「13年間で118万円得」という計算は、2人の収入が13年間続く前提で成り立っています。育休や時短勤務の期間が入れば、差は縮みます。

諸費用が2本分かかる

契約が2本になるので、事務手数料・印紙税・登記費用がそれぞれ2倍です。借入時にまとまった現金が余計に必要になります。

モリガマ

得か損かで言えば、2人で働き続けられるうちは得なんだ。問題は、35年のあいだ何が起きるか誰にもわからないこと。そこをどう見るかだね。

それでも選ぶなら、確認しておくこと

ペアローンが向かない、という話ではありません。共働きを続ける前提が立つなら、合理的な選択です。決める前に、次を確認しておいてください。

確認すること 見るポイント
1人の収入で払えるか 合計の返済額が、収入の多いほうだけで払える範囲に収まっているか。無理なら借入額そのものを見直します
団信の上乗せ保障 死亡だけでなく、がん・就業不能まで対象になるか。片方が働けなくなる事態への備えです
持分と負担割合を合わせる 出したお金の割合と登記の持分がずれると、差額が贈与とみなされることがあります
連帯債務との比較 契約1本でも控除は2人分使えます。諸費用が1本分で済むぶん有利な場合があります

すでにペアローンを組んでいる人へ

組んだあとでもできることがあります。

  • 繰り上げ返済は収入が少ないほうから。将来1人で返す場面になったときの負担が軽くなります
  • 団信の保障内容を確認する。加入時のままなら、上乗せ保障が付けられないか調べてみてください
  • 生命保険と重複していないか見る。団信で住居費が守られているぶん、死亡保障を減らせる場合があります

不安があるからといって、あわてて借り換える必要はありません。いま何がどうなっているかを把握しておくだけでも、いざというときの動きが変わります。

モリガマがちょうどいいものを持ってきてくれました。

モリガマのがま口がパカッと開いてツールが出てくる

年収と生活費から、無理のない借入額の目安を出せます。「1人の収入でも払えるか」を確かめるのに使えます。

まとめ

  • 夫婦の借り方は4つ。控除が2人分使えるのはペアローンと連帯債務
  • 年収500万円どうしの例で、13年間の控除額に約118万円の差が出る
  • ただしその前提は2人が働き続けること。育休・時短が入れば差は縮む
  • ペアローンは離婚・片方の死亡のときにほどきにくい形でもある
  • 迷ったら1人の収入で払えるかを基準に、借入額そのものを見直す

控除の118万円は確かに大きい金額です。ただ、それは35年間の返済のうちの一部でしかありません。数字の大きさではなく、何があっても続けられるかで決めてください

よくある質問(FAQ)

Q. ペアローンだと住宅ローン控除は2人分使えますか?

A. 使えます。夫婦それぞれが債務者になるため、各自が自分の借入残高に対して控除を受けられます。連帯債務型も持分に応じて2人とも受けられます。一方、連帯保証型(収入合算)で控除を受けられるのは債務者だけで、連帯保証人は対象外です。すすめられた形がどれなのかを必ず確認してください。

Q. 控除を2人で使うと、実際にいくら違いますか?

A. 夫婦とも年収500万円で4,000万円を借りる場合、単独では控除枠28万円のうち約18.9万円しか使えず年9.1万円が余ります。ペアローンで2,000万円ずつなら各自の枠14万円を使い切れるため、13年間の合計で約118万円の差になります。ただしこれは2人がその収入を13年間維持した場合の計算です。

Q. ペアローンで片方が亡くなったら、ローンは全額なくなりますか?

A. なくなりません。団体信用生命保険はそれぞれのローンに付いているため、亡くなった人の分だけが完済され、もう一方のローンは残ります。2,000万円ずつ借りていた場合、残るのは2,000万円です。収入が1人分になったうえで返済が続くことになるため、団信の上乗せ保障や生命保険で補えないかを検討しておくと安心です。

Q. 離婚したらペアローンはどうなりますか?

A. 離婚しても金融機関との契約は自動的には変わりません。2人とも債務者のまま、かつ互いの連帯保証人のままです。相手が返済しなければ自分に請求が来ます。名義を片方にまとめるには借り換えが必要ですが、2人分の借入を1人の収入で通すのは容易ではありません。売却しても残債が残る場合は差額を現金で用意する必要があります。

Q. ペアローンと連帯債務はどちらがよいですか?

A. どちらも控除を2人分使えますが、連帯債務は契約が1本なので事務手数料・印紙税・登記費用が1本分で済みます。一方、団信は金融機関によって主債務者しか加入できない場合があり、その点はペアローンが有利です。諸費用を抑えたいか、2人とも団信で守りたいかで判断が変わります。取扱いは金融機関ごとに異なるため、両方の条件を出してもらって比べてください。

参考・出典

本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、特定の借入方法や金融商品を推奨するものではありません。試算は令和8年分の税制にもとづく概算で、実際の控除額は所得控除の状況により異なります。団信の加入条件・保障内容・諸費用は金融機関ごとに異なるため、契約前に必ずご確認ください。

この記事の信頼性について
本記事は、国税庁・厚生労働省・金融庁など公的機関の一次情報をもとに作成し、税制改正・料率改定にあわせて内容を更新しています。記事の作成プロセスと情報源の選び方は運営者情報編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからご連絡ください。

この記事を書いた人

森のおかね図書館 管理人

ひーくん(森のおかね図書館 管理人)

社会人になりたての頃、割高な貯蓄型保険やFX・バイナリーオプションで遠回りをした経験から、お金の勉強を7年間継続中。家計・税制・年金・NISA・iDeCo・住宅などの実体験を踏まえ、特定の金融商品の販売をしない中立な情報発信を心がけています。
プロフィールを詳しく見る編集方針

免責 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や投資・税務助言ではありません。掲載内容は執筆時点の情報であり、最新の制度・金額については公式情報でご確認ください。詳しくは免責事項編集方針をご覧ください。
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