育休から職場に復帰するタイミングは、家計が大きく変わるポイントです。「働き始めたのにお金が増えた実感がない」と感じるのは珍しくありません。この記事では、復帰後にどこがどう変わるかを整理していきます。
育休中と復帰後、収入はどう変わる?
まず育休中の収入を確認しておきましょう。
休業開始〜180日目:休業前賃金の67%
181日目以降:休業前賃金の50%
※非課税・社会保険料免除のため、手取りベースでは休業前の約8割相当
月給30万円の人の場合で比較してみます。
| 時期 | 額面 | 手取り目安 |
|---|---|---|
| 育休前(フルタイム) | 30万円 | 約24万円 |
| 育休中(前半6ヶ月) | 給付金20.1万円 | 約20.1万円(非課税) |
| 育休中(6ヶ月以降) | 給付金15万円 | 約15万円(非課税) |
| 復帰後(6時間時短) | 約22.5万円 | 約18万円 |
時短勤務にすると収入はどれくらい減る?
時短勤務の給与は、基本的に勤務時間に比例して減ります。
| 勤務パターン | 給与減額率 | 月給30万円の場合 |
|---|---|---|
| 8時間 → 6時間 | 約25%減 | 約22.5万円 |
| 8時間 → 7時間 | 約12.5%減 | 約26.3万円 |
ボーナスも勤務時間に応じて按分されるケースが一般的です。月給だけでなく年収全体で考える必要があります。
2025年4月〜「育児時短就業給付金」で一部カバーできる
2025年4月から、2歳未満の子を育てるために時短勤務をしている人に対して、時短中の給与の10%が給付される制度が始まりました。
対象:2歳未満の子を養育するため時短勤務する雇用保険被保険者
支給額:時短勤務中の賃金 x 10%
例:時短月給22.5万円 → 月2.25万円が支給される
※賃金+給付金の合計が月45.9万円まで
復帰後に増える支出を洗い出そう
収入だけでなく、支出も大きく変わります。育休中にはなかった出費が一気に発生するのが復帰直後の特徴です。
| 費目 | 月額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 保育園料(0〜2歳) | 2〜4万円 | 世帯年収・自治体で変動 |
| 通勤費 | 1〜2万円 | 育休中はゼロだったもの |
| 食費増(惣菜・外食) | 1〜2万円 | 時間がなく手作りが減る |
| 被服費(仕事着) | 数千円 | 体型変化で買い替え |
| 病児保育・シッター | 突発0〜1万円 | 子どもの急な発熱時 |
合計すると、復帰後は月5〜10万円程度の支出増になることが多いです。
保育園料はどれくらいかかる?
認可保育園の保育料は、世帯の住民税額(前年所得に基づく)と子どもの年齢で決まります。自治体ごとに基準が異なりますが、全国平均の目安は以下のとおりです。
| 世帯年収の目安 | 0〜2歳の保育料 |
|---|---|
| 〜約400万円 | 月1〜2万円 |
| 約400〜600万円 | 月2.5〜3.5万円 |
| 約600〜800万円 | 月3〜4.5万円 |
| 約800万円以上 | 月4.5〜6万円 |
※認可保育園の場合。3〜5歳は幼保無償化により無料。第2子は半額、第3子以降は無料の自治体が多い。住民税非課税世帯は0〜2歳も無料。
保育料は入園前年の所得で決まるため、育休中に住民税が低かった場合、1年目は比較的安く、2年目以降に上がるパターンもあります。
見落としがちな社会保険料の変化
育休中は社会保険料が免除されていましたが、復帰した月から徴収が再開します。ここで注意したいのが、復帰直後の数ヶ月は育休前の高い標準報酬月額で保険料が計算される点です。
「養育期間特例」で年金を損しない
対象:3歳未満の子を養育する被保険者
効果:保険料は下がった給与で計算するが、将来の年金額は育休前の高い報酬で計算される
→ 「保険料は安く、年金は損しない」
手続き:会社経由で届出が必要(届出制)
この特例を使わないと、時短中の低い報酬で年金額が計算されてしまい、将来的に数万円〜数十万円の差が出ることもあります。復帰したら忘れずに会社に届出を依頼しましょう。
モデルケースで復帰後の家計を見てみよう
世帯年収700万円(本人月給30万円+配偶者月給25万円)、0歳児を保育園に入れて時短復帰するケースで月の収支をまとめます。
収入(月)
| 項目 | 育休中 | 復帰後(時短) |
|---|---|---|
| 本人手取り | 15万円(給付金) | 18万円 |
| 育児時短就業給付金 | – | +2.2万円 |
| 配偶者手取り | 20万円 | 20万円 |
| 世帯手取り合計 | 35万円 | 40.2万円 |
支出増(月)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 保育園料 | 3.5万円 |
| 通勤費(会社補助分を除く) | 0.5万円 |
| 食費増 | 1.5万円 |
| その他(被服・日用品) | 0.5万円 |
| 支出増の合計 | +6万円 |
復帰後の家計をシミュレーションしてみよう
「自分の場合はどうなるか」が気になったら、ライフプランシミュレーターで長期の収支を確認してみましょう。時短期間中の収入減や保育料負担を含めて、今後の貯蓄の流れを見える化できます。
まとめ
- 時短勤務は給与約25%減。税金・社会保険料が復活し、手取りは育休前半の給付金以下になることも
- 復帰後の支出増は月5〜10万円。保育園料・食費・通勤費が中心
- 2025年4月〜「育児時短就業給付金」で時短中の給与10%が支給される(子が2歳まで)
- 「養育期間特例」の届出を忘れずに。保険料は下がるが年金は減らない
- 短期的には収支トントンでも、フルタイム復帰+3歳以降の保育料無料で改善していく
※本記事の金額は2026年5月時点の制度に基づいています。育児時短就業給付金は2025年4月施行の雇用保険法改正によるものです。保育料は自治体によって大きく異なりますので、お住まいの市区町村にご確認ください。
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参考情報・公的機関リンク
本記事は以下の公的機関の公表資料を参考に作成しています。最新情報・最新の制度内容は各公式サイトでご確認ください。
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国税庁「タックスアンサー」
— 所得税・住民税・各種控除の解説 -
厚生労働省「年金・日本年金機構」
— 国民年金・厚生年金の制度と給付額 -
厚生労働省「育児・介護休業」
— 育児休業給付金・産休・育休の制度


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